まだまだ寒いですが、梅が咲いて、桜も咲き始めて、もう春ですね。春といえば「出逢い」そして「別れ」。今月のコラムのテーマは「出逢い」です。
ねこね、こねこね。の曲は「ばいばい」「さよなら」と、どちらかというと別れの曲が多いのですが、その中でも1曲「出逢い」につながる曲を紹介したいと思います。
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● いろのものがたり / ねこね、こねこね。
ある日 あおちゃんときいろくんが出逢って
いつの日にか一緒になった
月日が経ってふたりは離ればなれ
仕方ないと片付けるのはいや でも
どうしようもないこともあるさ
どんなに変わってしまっても
この先もずっときみの色をまとっている
まとっているんだ
ぼくたちはいろんな色に染まって生きてゆく
さよなら またいつか
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わたしはいま何色なのだろう、と思うときがふとあります。「いろのものがたり」はそう考えたときにつくった曲です(何色なのだろう、というのは、自分は何者なのだろう、という感覚に近いのかもしれません)。
「出逢い」というといろんなイメージがあると思うのですが、わたしは出逢いによって自分に色がついていく・自分の色を分け合っている感覚があります。それはひとでも、ものでも、経験でも、なんでも。
学生であれば、クラス替え・学校を卒業して新たな学校に入学。おとなであれば、転職・異動・引っ越し等と予測できる出逢いもありますが、人生の転機となったり気付いたら生活の一部になってしまうものとの出逢いは大抵予測できません。
今の自分が生きている場所は、元を辿るとたくさんのひととの出逢いがあってこそあるのだ、と思っているのですが、その中でもわたしにとって人生の転機となった・気付いたら生活の一部になっていた出逢いは「ねこね、こねこね。」です。
だいぶ遡ると、音楽に出逢ったのは小学1年生の頃(遡り過ぎ?)。まだアメリカに住んでいたときにBritney Spearsにはまったのがきっかけでした。当時は歌うのも踊るのも大好きで、居間のテーブルの上に乗ってひとりきりでダンスしながらうたうことが本当に楽しかったです。当時は歌手になるのが夢でした(みなさん、いまのわたしからは想像もできないと思いますが自分でも信じられないぐらいにいまとは人格が違いました)。
● …Baby One More Time / Britney Spears
その後、両親の離婚により日本に引っ越し、アメリカでは現地の学校に通っていて日本語は赤ちゃん言葉レベルだったので、突然日本の学校に転校したわたしは周りに馴染めず。ともだちはいたものの、日本にきてから性格が格段に暗くなり、学校から帰って来ては自分が趣味で開設したホームページに詩やエッセイてきなものを書いたり、漫画とアニメばかりみるという完全にヲタクな小学生でした。そして、よくみていたアニメのオープニング・エンディングきっかけで「バンド」というものに出逢い、そこからわたしの人生ががらりと変わりました。
● 遥か彼方 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
中学校にあがってバンドがすごく魅力的に感じて、バンドというバンドを聴き漁る日々。中学ではいじめられてたので、苦痛だった部活に耐えて 帰ってはアジカンを爆音で聴くという日常でした。
高校に進学し、軽音楽部に入部をして念願のバンドを結成も自然消滅。その後は学校を休みがちになって、SNSで知り合った趣味の合う友達とコピーバンドを組んだり、バンドのスタッフをやったり、バイトを転々としたり、ライブハウス「TRANTILA(現在は大鳥居Club EARTH」でボランティアスタッフもやっていて、とにかく好きな事ばっかりやってました、、、(笑)。
SNSで知り合った趣味の合うともだちとは、良く一緒にライブをみにいっていて、「同じ大学に行ってバンドを組もう!」と約束し、約束通り同じ大学の同じ学部・学科に入りました。わたしはギターボーカル、ともだちはベースだったので、「あとはドラムを頑張って探そう!」と張り切っていたら、クラスの自己紹介のときにみやこちゃん(こねこね。のドラム)が「高校生の時は軽音楽部でドラムを叩いてました」と言っていて、「これは奇跡!!」と速攻声をかけにいったのは今でも鮮明に覚えてます。
それから3人で大学の軽音楽部を見学しにいって、入部費に10万円がかかるという話を聞いて落胆。バンドを組むために大学に入ったようなものなのに、入学してすぐにその夢が打ち砕かれてもう本当に絶望しました。せめてサークルみたいなのはないものかと周りから情報を集めて、3人がたどり着いた先は、こっけさん(下北沢BASEMENT BARの副店長であり、元:うすしお、THEこっけんろーるBAND)のつくった軽音楽サークル「すだち」でした。
少しちゃらちゃらとした新歓で、リードギターを弾いてくれるメンバーをみつけて、早速サークル内でライブがあったので、チャットモンチーのコピーバンドをやりました。その時にみやこちゃんと同じピアノ学科だったベースのてらかどさんが、年に一度学園祭で演奏するためのバンドメンバー(ドラム)を探すべく、ギターのかみずるさんとわたしたちの演奏を聴きにきていて、その後みやこちゃんは正式に二人に誘われて、わたしはのちのちサポートとして誘われたのでした。(その後、『ねこね、こねこね。』は軽音楽部にもすだちにも所属できず、年に一度の文化祭の読書室で演奏するためのバンドになりました。笑)
そして数年経ったいま、年に一度でもサポートでもなく、わたしが卒制(子ども向けアニメーション)のためにつくった曲がきっかけで本格始動となった『ねこね、こねこね。』。大学を卒業したら自然となくなるだろうと思っていたバンドは、自分の想像もしていなかったところまで続きました。奇跡というにはすこし違うけど、これを奇跡と呼んでもいいのではないだろうかと思うほどに、いろんな意味で奇跡的な活動をしていると思います(笑)。
ここまで、わたしの音楽に関わる出逢いをざっくり(でもだいぶ長々と、笑)と書いてしまいましたが、出逢うことで最終的に傷つくこともあるし、いっぱい出逢いがあればいいというわけでもないけれど、ふとした出逢いと別れによってひとの人生は築かれていき色付いていく。「そういうものなのかなあ」と、たった四半世紀を生きてみて感じました。
みなさんも、自分がしっくりきて、好きで好きでたまらなくて、好きなんて気持ちを忘れてしまうほどのなにかを信じて向かっていくと、きっとどこかに「そうそう、これこれ!」っていう場所・ひと・もの・体験にたどり着くのだと思います。良き出逢いがありますように。
わたしの旅も、まだまだ続きます。
(ぼくの旅もまだまだ続く。)
| ねこね、こねこね。ライブスケジュール
●2017/04/09(土)@東京都立産業貿易センター台東館 6F
「ニャンフェス5」(手作り猫雑貨イベントです)
前売 ¥500 / 当日 ¥500
詳細はこちらでご確認ください。
●2017/04/21(土)@新宿SAMURAI
bayfm MOZAIKU NIGHT × Lighter190E「イトウリナイトvol.3」
w ) ライターイチキューゼロイー / titilulu / イトデンワ / 惑星アブノーマル
OPEN 18:00 / START 18:30
前売 ¥2,500 / 当日 ¥2,800(ドリンク代別)
●ライブのご予約・その他詳細はこちらから