2017年11月24日(金)に下北沢・BASEMENT BARで開催される316NIGHT vol.2『お京阪ナイト』。お京阪ナイトと題していることもあり、京都・大阪の3バンドを迎え開催されるこのイベント。イベント開催に先立ち、出演バンドのインタビューをお送りします。
「モルグモルマルモ」「ヒミツノミヤコ」に続いて紹介するのは、大阪の「河内REDS」です。彼らとの出会いは2015年9月25日北堀江club vijon、316NIGHT vol.1に出演した「カトキット」のツアーファイナルでのこと。スキンヘッドで独特な風貌からねじり出すようなボーカルが特徴的なタダミ、鋭いまなざしで一心不乱にギターをかき鳴らすサクラマサチカ。この2人が印象が凄まじく、自分の中にしっかりとこのバンドの存在が刻み込まれた日でした。
バンド名に含まれている「河内」とは、大阪東部の旧河内国周辺のこと。大阪らしいバンド、そんなくくりには意味がないとわかっていつつも、自分の中で最も大阪らしいバンドと聞かれたら確実にこのバンドの名前が思い浮かびます。今回の『お京阪ナイト』開催にあたり真っ先に出演候補に挙がった「河内REDS」から、Vo.タダミさんとGt.サクラマサチカさんのインタビューをお送りします。
---「無名のロックフェス」お疲れさまでした! 東京では次が11月24日の『お京阪ナイト』です、翌日もイベントが入っているとのことで大変なスケジュールの中ありがとうございます。ちなみに、11月25日はどのイベントに出演されるのでしょうか?
タダミさん(Vo. 以下、タダミ): 心斎橋のアメリカ村で『アメ村天国』という、今をときめく愛はズボーン先輩のイベントに出演します
サクラマサチカさん(Gt. 以下、サクラ): 今をときめく、って好きやな
タダミ: 俺、それしか知らんから。「今を」と言ったら、「今を生きる」か「今をときめく」しか、でてけーへんから
サクラ: にしても、なんか、ライブがいろいろつながってしまったな
タダミ: でも、俺なんか、こういうときの方が、みな一つの気持ちになれる気がする。でも、逆に離れやすい、疲れはじめたヤツがしゃべれへんようになったら、、、2連チャンのライブとかで2日目しゃべれへんようになるヤツおれへん? 疲れすぎて、いい加減になってくるヤツ
サクラ: わりと僕は体に鞭を打つのが好きだから。前、4日連続っちゅうのあったやん、massive(堺東)・knave(南堀江)・CAVE-BE(広島)・DIME(高松)ってあって、あん時めっちゃ楽しかった
タダミ: 意外にいけたね、でも、お酒は控えようってなったな
---なんとなく、河内REDSは移動が不思議ですよね。みんなで一緒に来ることもあるけど、バラバラに来ることもありますよね
タダミ: なんか、12時間以上一緒におったらけんかをしてしまうという、僕のアレがあって、、、僕はバラで移動した方がいい
サクラ: 普通に経済的にもいいわ
---実はそうですよね、レンタカーだと予想外に高くなりますよね
タダミ: 意外と高くなったりして
サクラ: 曜日にもよりますけど、高速バスは平日から平日にかけてとかだと二千円台で移動できますからね
タダミ: 千円台とかあるしね
---千円台の高速バスにはさすがに驚きました、、、早速、話がそれてしまいました。今回出演いただく11月24日の下北沢のイベントについてですが、最近は下北沢でライブされてますか?
タダミ: 続いたよね春頃。BASEMENT BARでやって、5月10日が50回転ズとのツーマン(Shelter)。そっからないよね
---それでは、比較的来ている方ですかね
タダミ: 東京で来ている回数でランク付けしたら、新宿、下北沢、吉祥寺、上野かな
---そういえば、渋谷であまりやってないイメージがありますね
サクラ: LUSHでやってるな
タダミ: BASEMENT BARの友達(笑)
---LUSHはBASEMENT BARと同じ系列ですね。そんな、下北沢ですがこの街の印象についてお聞かせください
サクラ: 「一龍」という中華そばのお店がめっちゃ好きです、ニンニクそば。BASEMENT BARのこっけさんに連れて行かれました。わがままカレッジのワンマンを見に行くつもりだったけど、ゲストでギター弾いてくれということになって、そのイベントにこっけさんも出てて、リハ終わりに連れて行ってもらった
---あのライブは確かERAですよね。実はバンドマンからはあまり出てこない名前なんです「一龍」は。なぜかというと、北側のエリアで周辺のライブハウスというとERAとGarageしかないですから。ライブハウスが多いのは、南側ですからね
サクラ: 北側と言えば「石川湯」だよな
タダミ: 「石川湯」行ったなー、めっちゃ住宅街の所やろ。ポカリスエットの缶置いてあるから好きやね
サクラ: 「石川湯」も行くね
タダミ: 横にコインランドリーがあって、月曜日が休みなんだよな、珍しく
---下北沢周辺は月曜日休みが多いですね、「石川湯」は東北沢ですが方角的には逆になる世田谷代田の「新寿湯」も月曜日休みですね
サクラ: 新代田FEVERのあるあたりですか?
---そうですね、比較的近いです
タダミ: 下北沢、まだまだ研究したい。坂道が多いですよね
---坂道ですか? 多いですかね?
タダミ: まっすぐ(平坦)な道がない気がします
---そう言われれば、緩やかに南に向かって傾斜していますからね。普段あまり考えたことがなかったですが
タダミ: あれがいい感じです、僕は好きです
サクラ: そういえば、前に下北沢で参加してた打ち上げがなんかクソおもんなくて、渋谷まで歩いたことがある。なんちゃら大学とかあるやん
---東大ですかね、東京大学です
サクラ: 東大?
タダミ: 駒場なんとかって
サクラ: あれ、東大なんですか?
---下北沢から渋谷まで行く途中だと東大でしょうね。それにしても、渋谷まで歩いて行くとは
サクラ: 近いですよ20分くらい。ほんで、次の日が渋谷でライブで、渋谷について「ここが渋谷か」って思ってたら、せた(河内REDS Dr.)に会った。別々に行動してたのに、あいつも宿を探してた
タダミ: まじで?(笑)
---不思議すぎるエピソードですね。今回の会場であるBASEMENT BARでは、ライブやってますよね
サクラ: BASEMENT BARはバイスサワーがあるからいいですね
タダミ: 赤いヤツか、シソのヤツ、アレ旨いな。あれ、大阪にはないっすね
サクラ: 大阪でも一軒飲めるところがあって、谷六に「そのだ」ってところがあって。でも、そこは3杯までしか飲めない
タダミ: 天王寺の「種よし」にもあるね、ほんで天満の「寅屋」
---それはライブハウスじゃなくて、飲み屋さんですね。飲み屋ではあまり見かけないし飲まないのですが、なぜかBASEMENT BARと隣のTHREEではいつも飲んでしまう。ある意味、中毒性の高いドリンクです
サクラ: 浅草ではじめて飲んだんや
タダミ: でも、飲めへん、正体の知れない感じが
サクラ: あれね、すっすくすっすく飲める、味としてはおいしいから
タダミ: うまいんや、怖いね、、、って、11月24日ですよ下北さん!
---自分が率先して話を脱線させてる、、、いきなりですが11月24日の意気込みお願いします
タダミ: 意気込みですか? でも今回、東京バンド系がいないですよね
---ガールズバンドの宇宙団が唯一東京のバンドですね
タダミ: その他は関西ですよね、それが面白いなって
サクラ: 大阪ではできなかったブッキングって感じがしますね
タダミ: ほうほう
---大阪ではできなかったブッキングですかね?
サクラ: なかったですね
タダミ: せやねー
---下北沢で見てみたいと組み合わせをイメージして組みました。実は3バンドの中で一番最初に認識したのは「河内REDS」でして、2015年9月にカトキットのツアーファイナルをVijonではじめて見て、ものすごく強烈な印象が残っています。ああ、猛烈に大阪っぽいの来たーって、あの時のタダミくんはスキンヘッドで、エグいというかクドさ炸裂というか
サクラ: いろいろね、勘違いされてる。自分で足かせをつけるというか
タダミ: せやね、あの頃は僕も少年院出たてやったから
---え?
タダミ: うそ、うそです。実際には、仕事でミスをして、、、、訪問入浴のサービスをしてて、お湯を沸かしているときに鏡を割ってしまいまして。エライ怒られて、こういうときにどうしたらええんやろって思って。あ、一回坊主にしたかったなって思って
---反省してないじゃないですか!(笑)
サクラ: ホンマやな(笑)
タダミ: これ、ええ機会やでって思って、頭にメスを入れたんですけど(笑)
---頭にメスって、、、あのスキンヘッドはそういう話しだったのですね。あの時は、タダミ君はそういうスタイルなんだと思っていました
サクラ: こいつ別にハードコアとか聞かないですから、聞くのは僕の方なんで。でも、あれでホンマに怖がられていたからね、怖いバンドやって思ってたってめっちゃ言われてれる。見た目の怖さってあるやん、パンクやって思うやん
タダミ: あー、まあな
---あの日一番怖かったです、2人ともステージから飛びかかってくるんじゃないかと思っていました
タダミ: 勘違いされたことも。だから、僕は髪の毛を伸ばしてるんですけど、、、だんだんね、不安な、、、いや、文字では伝わらないんですけど、この辺がね
サクラ: きてる? きてる?? イヤやわ
タダミ: かなりきてるよ
サクラ: 早いな、いやー、イヤやわー、スキンヘッドやわ。サンプラザや
タダミ: 俺だけ谷村新司みたいになってきて。いや、でも、さだまさしを見たら俺は自信を持てる、あの人って歳をとるにつれ髪の毛が増えていってる
---え、それは問題なのでは、、
タダミ: だから俺はさだまさしを目指している、髪の毛に関しては
サクラ: イヤやで、30分のライブで2曲しかやらんとか。あの人、MCの天才やから
タダミ: あれ、MC長いのは喉をいたわっているかららしい。ツアーが多いから、話をして喉をサボらせようって所からはじまってる
サクラ: あー、そうなんや。日本で一番単独コンサートやってる回数が多いらしいから
タダミ: だってMCだけの本が何冊も出てますから、噺歌集ってのが。僕持ってますもん、、、って、11月24日の話ですよ
---そう、なんでしたっけ、今回の出演者の中では一番古くから認識していたという話ですね
タダミ: まあ、ヒミツノミヤコも長年ライバルやし
---え、ライバルですか?
タダミ: ボーカルとして俺は意識していますよ
サクラ: 悪ちゃんはすごいからな。一回サポートしたことがあるけど、MCとかすごいであんな返しできへんで、ホンマに
タダミ: そうや、ヒミツノミヤコはすごい
---ヒミツノミヤコとは久しぶりの対バンとのことですが、いつ以来ですか
サクラ: ほんま2年ぶりくらいです
タダミ: 下北さんがいなかったら、こういう日は来なかったと思います
サクラ: 絶対に面白い対バンやしね
タダミ: だって、ヒミツノミヤコと対バンしてから来てくれるようになってくれたサポーターとか多いですもん。共通のサポーターが多いですもん。だから、俺はヒミツノミヤコと会えて良かったと思う
---ちなみに、ヒミツノミヤコは河内REDSの出演が決まったことを伝えたら、即出演を決めてくれました
タダミ: そうなんすか!?
サクラ: そうなったら、殺すしかないな、音で殺すしかな
タダミ: いや、、、噛みつくなよ
サクラ: 噛みついてないよ、対バンなんだから。まあ、音楽の良い悪いは人によってちゃうから。ほんま、いろいろ賞レースをやってわかってるけど、良い悪いは人によってちゃうからな。自分がおもんないからおもんないじゃないから、自分がおもんない思ってるヤツでも、1000万人が好きだとかあるやん。河内REDSをおもろいと思うヤツもいるし、ヒミツノミヤコをおもろいと思うヤツもいる。速く走れば勝ちじゃないやん
タダミ: そう、内容っすね
サクラ: 内容も、弦が切れようとピッチがクソはずれてても、感動する人は感動するけど、下手くそだと思う人もおる。忘れられんライブになったという人もおる、だから音楽ってのはな、、、
タダミ: 人間だものね
サクラ: めっちゃクサい話ししてるけど、だれかが最高と思ってて、だれかがクソおもんないと思っててあたりまえやから、自分たちがやりたいことをやるしかない。人に合わせてあっちを立てればこっちが立たない状態になるから、じゃあ自分たちが楽しいようにおもろいようにやってついてきてくれる人がいればいい。アンチがいて当たり前やからな。最近そういうことを考えている
---本当にその通りで、勝ち負けと言う人もいるし、そうではないと言う人もいる。今回のラインアップは関西というくくりもありますが、それ以上にそれぞれのファンの人たちが、他の3バンドの音楽を聴くとどう思うのかなと考えながら集めた4バンドです
---それはそうと持ち時間は40分なので、通常よりは時間があります
タダミ: あんまりやらないヤツですね、任してください。やりますよー、ホンマにやりますよーー!
---そして、いま一番「河内REDS」にとって大きな話題としてお聞きしたいのが『eo Music Try』です
タダミ: 本当にうれしかったですよーーー。あれ結構段階があって、応募して一回戦突破したら投票、投票前に700組から60組に絞られるんです。3・4年前に一回戦を突破したんやっけ?
サクラ: あれ、なんかちゃうノミネートやなかったっけ、ここで勝ってもBIGCATには行けない
タダミ: 残念賞みたいな、残念枠の1位みたいな。でも、今年はちゃんとしたメインのヤツで残って、めっちゃ感動した。僕らが投票しても4票しかならない、例年見たら結構な数が集まっててどうやって残り集めるねんって。普段見に来てくれるサポーターの子たちがめちゃめちゃ協力してくれて、路上ライブで初めて見てくれた人たちに直接声をかけて投票をお願いしてくれて。一票でも多くとお手伝いを募集したら、めちゃくちゃ来てくれて、1日5人とかざらでした。僕らより本気になってくれた感じがあって、俺ら愛されてるな、と
サクラ: その愛を今まであんまり感じた事がなかった(笑)
タダミ: 実はめちゃめちゃ愛されていた
サクラ: すげー、結束を感じていた
タダミ: 投票期間中でいっこだけめっちゃ反省しなきゃいけないことがあって、路上ライブが止められちゃった後、機材を片付けて缶ビール買って飲んでたんですよ。でも、その日手伝ってくれた女のコたちが初めて見てくれた人に声をかけて投票を集めてくれてるんですよ。俺、なに酒飲んでんねんって、、、まあ、結局飲みきったんですけど
---最後まで飲んでる(笑)
タダミ: むっちゃ反省して、ホンマにありがとうって思った。年頃の女のコがね、知らん人に声をかけるって怖いじゃないですか。協力してくれている姿にホントに感動しまして、、、ホントにありがとう! 河内エンジェル!
サクラ: ある女のコが言うてた話しを聞いて、俺はホンマにええeo Music Tryだったなって。そのコがクラスのLINEグループにeoのURLを乗っけて投票を促してくれて、「私のこと多分嫌いやろな」って思ってたけど、クラスのほとんどのコが投票してくれて。10月以降に順位が見えなくなってからはクラスメイトから「あのバンドどうなったん?」と毎日聞かれるようになって、「私ってそんなにクラスで嫌われてるような人間じゃなかったんだ」って、知ることができたって。俺、もう、その話を聞いただけで、めちゃめちゃeo Music Try良かったなって
タダミ: それホントに、よかったな
サクラ: 正味意味わからんやん。こちとら3代目聞いとんねん、受験勉強しとんねん、とかいろいろあるやん。でも、こうやって投票してくれて、さらに気にかけてくれて。私はクラスメイトのことをしょうもないと思ってたし、あっちも私のことをしょうもないと思ってたと思い込んでいたけど、クラスメイトはもちろん捨てたもんじゃないなと思ったし、私自身も捨てたもんじゃないなって。そんな話を聞いて、ホントに良かったなって。グランプリ取れなかったとしてもね
---いや、グランプリとってください! ちなみに、12月16日にBIG CATで開催されるグランプリ決定ライブですがチケットはまだありますか?
タダミ: まだ、あります。けど、数が少ないので早めにお願いします。通常のライブや路上ライブでも手渡ししますが、気軽に連絡もらえれば郵送もしますので!
---ありがとうございました。11月24日の『お京阪ナイト』をよろしくお願いします。そして、eo Music Tryも頑張ってください! 今年のeo Music Tryはこの2年間関西のライブハウスシーンを見続けてきて、来るべくして来たバンドばかりです。正直、応援したいバンドばかりですが、、、、今回は「河内REDS」一本に絞ります。応援に行きますね!!
これまた、11月24日の316NIGHT vol.2『お京阪ナイト』の話はほとんどしていないという展開になってしまいましたが、河内REDSというバンドの魅力はお伝えできたと思います。そして、音楽のことをほとんど聞いていないという致命的な状況ですので、河内REDSというバンドを知ることができるMVを2本ご紹介します。
1本目の「男はみんなちょっとだけホモ」は河内REDSを語る上で外すことができない名曲。まー、このMVでは曲の最後まで聞けないですけど、、、11月24日はやってくれるはず。ええ、BASEMENT BARなら府警さんに止められたりしませんから。
2本目は11月19日にリリースされたばかりの「勉強少年」。どこかのだれかにエールを送り続ける、河内REDSは愚直にそれを続けている、そんなバンドなのだと感じることができる最高のナンバーです!
316NIGHT vol.2
『お京阪ナイト』
2017年11月24日(金)
下北沢 BASEMENT BAR
[出演]
モルグモルマルモ(京都)
ヒミツノミヤコ(大阪)
河内REDS(大阪)
Wellcome Act:宇宙団(東京)
チケット: 前売り 2500円(+1D)/当日 3000円(+1D)
時間: OPEN 18:30/START 19:00
チケット発売:手売りチケット、各バンド予約