※316NIGHT vol.3 スペシャル対談『ニシケケ(Moccobond)』×『あっけ(カトキット)』【2】の続きです
ニシケケ:そう、もう一つ質問したいことがあるんですけど、坂本龍一が好きですよね
あっけ: スゴく好きです
ニシケケ: それがうれしくて、あの色気とエレクトロを築き上げてくれたYMO大先輩
あっけ: 歴的には浅くて去年一昨年くらいからですが、アナログシンセの音が好きで、パキパキしたソリッドな感じの音よりも、ふにゃーっとした年代のシンセ音の方が心地よくてずっと聞けるんです
ニシケケ:買いましょ、今の○○○○○とか買ったらだめですよ
あっけ: 今、一杯で出てるじゃないですかコンパクト化してるヤツ
ニシケケ: 私はソフトシンセをオススメします。どうしたらmoogとかnordとかあんなん買うお金あるんだって、一台40万とかしますから。でも、あの音があるだけでカッコいいから、どうやったらいいんだろうって考えていて、これまでKORGばっかり使ってたけど思い切ってソフトシンセにお金をかけはじめました。それで、アナログシンセが好き、となったときに「ARTURIA(アートリア)」を買いまして、バチクソ音がイイです
あっけ: あー、ちょうど調べてたヤツですよ。それは買わな、買います! なんかでもね、楽器屋に行ったらどうしても欲しくなるんですよミニマム型のモノが。でも、絶対にコレを一個買うより、レコーディングやったらソフトシンセの方がいいって
ニシケケ: 確かに絶対にソフトより、ハードを何個もやってる人の方がカッコいいってわかってる。別にライブハウスでMac並べたくないもん、ホンマにハードウェアの方がカッコいい
あっけ: こう、要塞みたいにしたいです
ニシケケ: わかる、したいしたいー。大物のアーティストはそれを全部かなえてるって感じで、やっぱりハードウェアに超したことはないです、揃えられるのなら
あっけ: 坂本龍一の好きなところが、いろいろな音が鳴っていてスゴくカッコいいという所もあるけど、切り崩してピアノ一個でやってもしっかり成り立った音楽というのが、そこにいかなあかんって
ニシケケ: あの人はものすごく人間味が強いですよ、細野晴臣さんとかはものすごく冷めてて、坂本さんがずっと寂しかったって。あと、リズム感が悪いと二人に責められてて。YMOをリアレンジして現代の楽器でやるみたいな、HAS=ヒューマン・オーディオ・スポンジという名前に変更してやった映像をYouTubeで見て、坂本さんがホンマ死にそうな顔しながらドラムを叩いている。リズムキープをするのにそんなに必死な顔になるのかって
あっけ: っていうか、もうおじいちゃんですもんね
ニシケケ: あの人たちから切り開かれたわけですもんね、感謝です感謝
---そういう存在なのですねYMOとは
ニシケケ: クラフトワークが出てきて、そのあと日本ではYMOが出てきて、でも元々坂本龍一やはっぴいえんどとして評価されていたから、YMO組んだときに認められるのに時間がかかったみたいです。逆輸入だったんですよ、海外で評価されてやっと日本で認められたみたいですね。
その頃、シンセとかコンパクト型とか無くて、moogの2メートルくらいのPAさん付きのシンセを使っていましたからね。それで、アメリカの野外フェスで日光が当たりすぎて熱くなって、煙が出て全てがだめになってしまったけど、なんとか乗り切った話とか。その後、メーカーに問い合わせたら、あんなものを外で使う人は初めてのことだと言われたり。そんな、過去のリアルな映像を見て、今はこんなにコンパクトな機材で音楽をやれているけど、音的には今聞いても感動できる
あっけ: 全然聞けますもんね、全然新しい、今でも売れる
ニシケケ: めっちゃ新鮮、なんなんでしょうね
---アナログの音、あの独特な不安定さや暖かみは代えがたいものがありますよね。パキッとしたシンセの音ももちろんアリですけどね
ニシケケ: R&Bのエレクトロの人たちも、また違ったりしますからね。ちなみに、中田ヤスタカはあえてmicroKORGあたりのハードシンセを好んでよく楽曲に使ってるみたいです
---《どんな対談になるのか全く予想してなかったのですが、1時間半でこんな感じの展開に。ちなみに、ニシケケさんは芋焼酎三岳のロック、あっけちゃんは日本酒を冷やで飲んでいます。そして、YMOの話題からキーボードの話、そしてライブアクトの話題へ》
あっけ: YMOの散会ライブの時の坂本龍一がエロすぎて、そう流し目がエロすぎて、そっからスタートで
ニシケケ: メイクもしてたときだ
あっけ: その生々しさの魅力にやられて、自分もちゃんと弾けるようになりたいと。鍵盤がホントに弾けないんです。ちゃんと楽譜を見て練習したことがなくて、作曲の為だけに使ったことがある程度だったので
ニシケケ: 今通えるとしたらピアノ教室ですね
あっけ: 確実にピアノ教室ですね。新しいピアノタッチを手に入れたので余計に
---あっけちゃんを見ているとライブではギターは比較的ちゃんと弾いてますけど、キーボードはそこまで弾いてないですよね
あっけ: チョロッとしか弾いてないですね。アンコールで久しぶりの曲をやったときに、全然弾けなくて、マネージャーさんに「二度と弾かんといて」って言われた(笑)。以来、できるだけ打ち込もうって
ニシケケ: 鍵盤引きながらライブやってても、楽しくないですよ
あっけ: え、楽しくないんですか
ニシケケ: 歌いながら鍵盤弾くのに慣れてないだけかもしれないけど、ギター弾きながら歌ってる方が楽しい
あっけ: ハンドマイクしたいとか思います?
ニシケケ: ハンドマイクは絶対にしたくない
あっけ: 絶対にしたくないって(笑)
ニシケケ: 手が空いている分、いろいろ手を動かしたり(振り付け)しないといけないじゃないですか、お客さんとの距離も近づかないといけないし。私は決めた位置からお客さんとの距離感を変えたくないから、照れくさいし
---あっけちゃんはハンドマイクが似合いますよね
ニシケケ: ホンマに似合う、スゴいと思う
---ギターを置いてマイクをスタンドから外した瞬間から、何かをまとってますよね。全身で伝える、歌はもちろんだけど自分のその様も含めあなたたちに伝えたい、いや、与えたいんだという感じです。特に先日のLUSHとかスゴかったです
あっけ: マイクのコードを首に巻くのが最近気持ちよくて、、、できればもみくちゃにされたいんですよダイブしたいんですよ、飛び込みたい
ニシケケ: セクシーですね
---ファンとしては、カトキットはライブバンドだと思っていますからね
あっけ: 何が起きるのかわからないという部分を求められている気がする
ニシケケ: パンクだ、毎回大変だ
あっけ: だから最近あまり考えないようにしてて、考えてやってたらダメなんですよ。フロアのレスポンスとか考えてると、外したときに凹むから(笑)
---ひとつお伺いしたいのですが、バンドメンバーとの関係はどのような感じですか?
ニシケケ: うちのバンドメンバーは仲がいいですね
あっけ: うちも仲はいいですけど、バンドのこと以外では会わないですよね
ニシケケ: うちは会いますね。私は誘ったりはしませんが、Ba.Vo.(サトウさん)が私のバイト先にめっちゃ飲みに来たり、松川のいるFireloop(大阪寺田町のライブハウス)に行ったり
---え、サトウ君、なんでだろう。二人のことが大好きなんじゃないですか?
ニシケケ: 近所のオバハンみたいな感じですよ。あっけちゃんの場合は姫を守ってくれるみたいな感じですか?
あっけ: 姫、、ではないですね。親戚の子供みたいな感じだと思います。自分が末っ子気質がひどいんです、二人ともお兄ちゃんみたいな感じで
ニシケケ: めっちゃええ関係ですね
あっけ: いやぁ、、
ニシケケ: 元旦にみんなであっけちゃんの実家に帰るぐらいの、見守ってくれてる感が。言ったら、メンバー二人はあっけちゃんのファンみたいな感じ?
あっけ: 確かに、そうなのかも知れない
---ある意味あっけちゃんの才能に惚れた、一番近いところにいるファンなのかも。とてもステキな二人です
あっけ: ねえ、いい二人ですね、今になって思ってきた(笑)
ニシケケ: 私まだ帰りたくないなぁ
あっけ: はははは(笑)、スゴく飲む、化け物みたいに飲むって聞いていて
ニシケケ: あっけちゃんが壊れるまで飲んでもらいたい
あっけ: 最近は日本酒にはまってて、最終的には千鳥足になってくっつきに行くだけの人間になってしまうという
ニシケケ: それはイイと思います
---打ち上げは覚悟を決めて参加してください(笑)。ああ、こんな時間になってる、帰りのバスがきわどくなってきました。お手洗いに行ってきますので、最後に3月16日のイベントへの意気込みをお願いします
あっけ: じゃあ、下北さんへのメッセージを
ニシケケ: 非常に真面目な方ですね
あっけ: 妻子持ちなんですよ
ニシケケ: それ知らない、指輪してるのは気付いたけど
あっけ: 妻子持ちとは思えないフットワークなんですよ、下北沢に事務所を持ってて
ニシケケ: どこからお金が出ているのかも正直謎ですね、316どうなってるんですかね
あっけ: 完全に謎ですね
ニシケケ: もし、めっちゃお金儲けてるんやったら、次もまた対談に呼んでもらって、いっぱい楽しませてもらって、、、
---戻りました、いったい何が語られているんだろう
あっけ: (笑)ちゃんと締めましたよ
ニシケケ: いい話を、しておきました(笑)
---恐怖しかないです、というわけで3月16日はよろしくお願いします
京都で行われた2時間半にわたる、Moccobond・ニシケケさんとカトキット・あっけさんの対談の模様をお送りしました。共通点も多く、話題は全く尽きませんでした。というか、最後当日にかける意気込みを話してくださいって伝えたのに、全然違うこと話してるじゃないか、、、。
3月16日(金)京都Live House nanoで開催される【ライブハウスナノ14周年月間 第13夜 316NIGHT vol.3 『ここからはじまりました』】。「Moccobond」と「カトキット」をぜひ目撃してください。
ライブハウスナノ14周年月間 第13夜
316NIGHT vol.3
『ここからはじまりました』
2018年3月16日(金)
京都 Live House nano
前売り 2000円/当日 2500円
OPEN 18:00/START 18:30
☆タイムテーブル
[出演]
カトキット
Moccobond
ジャスミンの香り
opening Summer Tune for you: 深田和良(モルグモルマルモ)
チケット予約: 各バンド予約、316予約