地下鉄二条駅から徒歩2分の場所にある『京都GROWLY』、これまで何度か足を運び、様々な京都のバンドとの出会いを提供してくれたライブハウスです。そんな彼らが現在クラウドファンディングにチャレンジしています。タイトルは『【京都GROWLY】ライブハウス史上初?!ドリンク代¥0を実現するためのクラウドファンディング』、GROWYLY7周年期間となる2019年4月1日から5月6日までの期間、入場時のドリンク代600円を0円にする為のクラウドファンディングです。
ライブハウスのクラウドファンディングはこれまでも様々な企画が行われてきましたが、その多くはライブハウス自体のオープンや何か施設を整備するといった、いわゆるハードウェア面に関する企画がほとんどでした。しかし、今回のGROWLYの企画は『ドリンク代を無料にする』というソフトウェア(サービス)的な内容であり、そういう点では珍しいチャレンジです。
企画のページを読むと、ドリンク代を無料にすることで、ライブハウスに足を運びやすい環境を生み出し、結果的にアーティストがライブをしやすい環境を作ることを目的としています。同時にドリンク代の意義について考えるきっかけを与え、さらにはアーティストがクラウドファンディングに挑戦しやすい土壌を作ることも目的としています。
チャレンジの内容は理解できます、でも、なにか自分の中で理解が及ばない部分があると感じていました。今まで見てきたライブハウスのクラウドファンディングとは明らかに何かが違う、このチャレンジの狙いはどのようなものなのか。それを知るべく、GROWLYを運営する株式会社ケイピーエス代表取締役の角田さんと、GROWLY店長の安齋さんにお話を伺いました。
---最初に今回のクラウドファンディングをはじめたきっかけについて、教えてください
角田恭平さん(株式会社ケイピーエス代表取締役、以下角田): 実は最初のきっかけはあまり覚えていなくて、伊藤君かなやっぱり?
安齋智輝さん(GROWLY店長、以下安齋): みんな、あまりクラウドファンディングのことは知らなかったから
角田: 元々GROWLYのスタッフだった伊藤君が、ウチから卒業して東京に戻ることになって、「muevoという会社に入るので何かやりましょうよ」と言われたことがきっかけですね。それで、冗談っぽく「ドリンク代0円」とか言い出して、たぶん伊藤君が提案したんちゃうかな。おもろいやん、みたいな感じではじまったと思います
---明確な目的があった、というわけではなかったのですね
角田: 常々GROWLYというライブハウスでは面白いことをしたいと考えていて、オープン当初からソフトドリンクなら2杯飲めるとか、業界の常識は踏まえつつも、ワンドリンク代でソフトドリンクも同じ金額だと高いな、それならソフトドリンクは2杯にしようとか。今はいくつかのライブハウスがやっていますが、当時はほとんどなかったような
安齋: ないんちゃうかな
角田: 普通は何も考えずにみんながそうしているならウチもそうしよう、となりますが、そこはちゃんと原点に立ち返って考えるべきなのかなと
安齋: どちらかというと型にはまりたくない体質で、型を壊していくという考え方が根本にあるから、面白いと思ったことをどんどんやっています
角田: もちろん、面白いからといって何でもできるわけではないですけどね。ここを立ち上げたときもそうですが、音楽業界は給料が低かったり拘束時間が長かったり。音楽業界で働いていても食べられないだろと言われていましたが、そんな部分も打破したいと考えていて、型を壊したり面白いことをしつつ、理にかなった形でビジネスとして成立しないといけない。それを実現できるのがクラウドファンディングだと思いました。
ドリンク代をタダにすることで面白いことは拡がるけど、普通に考えたらお金の面で断念せざるを得ない。それが、クラウドファンディングを活用することで実現できると考えました
---このクラウドファンディングが目標金額を達成すると、7周年月間のドリンク代が無料になるわけですが、それで終わりということではなく、それに続く形でなにかが起きるような気がしています
角田: どうなんですかね? GROWLYはライブハウスなので、客さんが来やすい環境を作るところまでで、後は「バンドの皆さん任せた!」となりますが、もちろん僕らが考えてもいないことが生まれてほしいと思っています。逆に、楽しみですね、どんなことが起こるのか
---個人的に気になっているのは、ドリンク代を無料にすることでどのような変化が生まれたのかですね。集客が増えたとか、追加ドリンクが多く出るようになったとか、その結果に興味があります
角田: この話を始めたのは昨年の夏頃で、今年の4月の周年のイベントがほぼ決まっていない状況で動き出しています。集客数(クラウドファンディングの目標金額の根拠となった人数)は去年・一昨年の集客数を元に出しましたが、実際は何人来るのか全くわからないです。
ここで1つ問題なのは、お客さんが来すぎてしまうことで、120万円集めても赤字になってしまう可能性があるということ。そもそも、120万円という数字が正しいのかもわからないですからね
---そう言われれば、確かにそうですね。周年で通常より盛り上がっていることに加え、ドリンク代が無料ですから、お客さんが来すぎてしまう可能性はありますね。集客が増えれば喜ぶべきことなのに、喜んでいいのかという
角田: 難しいところですね(笑)
---そして、GROWLYとしては金額の負担が発生する可能性がある上に、クラウドファンディングを成功させるための時間や労力が、相当かかっています
角田: 知ってもらうため、理解してもらうための労力は予想以上にかかります。もちろん、簡単だとは思っていませんでしたが、実際にやってみると大変ですね
---YouTubeチャンネルをチェックしましたが企画を紹介する動画もたくさん撮られていて、ちゃんと編集もして見やすくなっていて、企画のことを知ってもらうとはいえ本当に労力がかかっていますね
角田: 昨日も伊藤から連絡が来て、「Twitterはこういう使い方をした方がよいのでは」とLINEが入ったりして
---本当にクラウドファンディングへのチャレンジは大変ですね
---クラウドファンディングのプランについて、グッズがもらえるプランから年間パス、ホールレンタルなど様々なプランがありますが、どのプランが人気でしょうか
角田: 実際にやってみてわかりましたが、リターンが目的の人とリターンはあまり関係ないと考える人がいて、驚いたのがリターンなしのプランを選んでいる方が多いことです。クラウドファディングは成功すること自体が応援に対する見返りでもあって、リターンにこだわらない人もいると知りました。クラウドファンディングが成立した上で、その先にあることを見てくれているんだと思いました
---これまでもいくつか企画を見てきましたが、ここまでリターン無しプランに支援が入っている企画はありませんでした。企画自体を支援しているという意味で、本当にすごいことだと思います。と、言いつつ、過去にライブハウスのクラウドファンディングでイベント開催権をゲットしてきた身として、気になるのはイベント開催権のプランです。10万円でイベント開催と年間パスがついてくるのは破格です
角田: そうなんです、年間パスのプランが5万円なので、価格にしたら箱代が5万円なのでめちゃめちゃ安いです。通常、平日のレンタル代は12万円なので半額以下ですから、ぜひ!(笑)
---イベントを企画されている方はぜひこのプランで支援すべきではと考えてしまいます
安齋: バンドをやっている子たちは狙っているみたいですね。メンバーで話し合ってるみたいです
---ちなみに、ホールレンタルは音楽ライブに限らないですよね?
角田: そうですね、今までだと演劇をされた方もいらっしゃいます。その時はステージに客席を組み、フロアを演じるスペースにしていましたね。あと、映画の上映会とかもありますね
安齋: 上映会はよくやっていますね、爆音上映会として、メインスピーカーで音を出しながら大きなスクリーンに映したり
角田: ライブとの融合的な写真展や、ダンス、ファッションショー、
安齋: バザーもありましたね、ステージではライブもやりつつ
---ぜひ、今年京都でイベントを開催を考えている皆さんには検討していただきたいです。そして、316でも検討しております
角田・安齋: お願いします!(笑)
---改めて今回のクラウドファンディングについて、GROWLYというライブハウスだからこそのチャレンジだと感じました。これだけでは終わらないような気がしています
角田: それは実際に考えていて、今回のクラウドファンディングを成功させ実際にドリンク代を無料にするまでがひとくくりではありますが、それで終わりだとは思っていないです。元々、なにか大きなことをやりたくて、そこでクラウドファンディングを使いたいというアイデアがありました。今回のチャレンジを達成することができれば、もっと困難なことにチャレンジするつもりです。それだけに、今回のチャレンジは成功させないといけないです
---オープン記念などの場合、その時点でクラウドファンディングも完結するわけですが、GROWLYの企画の場合は周年月間が終わった後も新たな目標に続いていくのではと感じていましたが、やはり次のチャレンジを考えているわけですね
角田: 本当に成功させないと、、、これが失敗するとまずいと思います。ウチだけではなく、音楽シーン的にもクラウドファンディングシーン的にも、これはめちゃめちゃおもろい企画やろうと。最初にも話しましたがおもろいことをやりたいけど、おもろいだけではダメだし、とにかくそのことを伝えたいですね。頑張りたいと思います
---ありがとうございました、応援しています! そして、本当に支援を検討しています!
京都GROWLYの今回のチャレンジは、まさにGROWLYというライブハウスだからこそ生まれたクラウドファンディングだと、実際に話を伺い改めて理解することができました。その上で私が感じたこの企画の目的は、
『ドリンク代を無料にすることで、GROWLYにどんなことが起きるのか、一緒に見てみたくないか?』
ということであり、今回のクラウドファンディングは彼らの企て(くわだて)への仲間募集なのでは。そのことは、リターンが設定されていないプランへの支援額が、全体の4割を超えていることからも感じることができます。ドリンク代を無料にすることで、ライブハウスにはいったい何が起きるのか、確かに見てみたいですね。
決めました、316もこのGROWLYのクラウドファンディングを支援します! 10万円の年間パス&イベント開催権無料プランで支援します! いや、どう考えても通常12万円のレンタル代が5万円になるのはお得すぎます。尚、5万円でホールレンタルのみのプラン(チケット売上はハーフバック)も追加されていますので、こちらも併せてご検討ください。
こうなったら、なにがなんでもこのクラウドファンディングを成立させる必要があります。なぜならば、この企画は【All or Nothing】でチャレンジしているから。そう、期限の2月25日23時59分59秒までに目標金額の120万円が達成した時のみ、今回のクラウドファンディングは実行されます。達成できなかったら、316のイベントの開催もできなくなってしまう、、、。これはもう、どう考えても達成させないといけないわけです!
GROWLYが好きな人、ライブハウスが好きな人、なんだかよくわからないけど楽しそうだと感じた人、皆さんでこのチャレンジを応援しませんか? ドリンク代無料の先にあるライブハウスの未来、1人でも多くの人に『【京都GROWLY】ライブハウス史上初?!ドリンク代¥0を実現するためのクラウドファンディング 』の当事者になっていただきたいです。