2019年4月13日、「shannons」が1st full album『クロールで旋回しながら』をリリースし、同日新宿SAMURAIにて『クロールで旋回しながら』Release Party“shannons one man Live”を開催します。リリースおよびワンマンライブの開催に先立ち、316.rocksでは4人のメンバーにアルバムへの想い、そしてワンマンライブへの意気込みを伺いました。
---まずはアルバムのリリースおめでとうございます。アルバム制作のためのクラウドファンディングを成功させ、実際にそのアルバムが完成したわけですが、制作はいつ頃されていたのでしょうか
大濱 健悟 (Vo&Gt、以下大濱): 曲自体は以前からあったものもあり、2曲は以前にレコーディングもしてあり、残りの曲を年明けに録りました
---12曲入りというといかにもアルバムという感じですが、レコーディングはスムーズに進みましたか
鳥越 万紀雄 (Dr&Cho、以下鳥越): 割とスムーズでしたね
上野 詩織 (Ba&Cho、以下上野): 予定より何日か巻いたくらいです
内田 心晴 (Gt&Cho、以下内田): 昨年の7月に「幾つかの人生」をMusic Video用にレコーディングをしていて、クラウドファンディング前後にできた曲もありました
大濱: 曲は常に作りためていて、あとは録るだけという状況ですね
内田: レコーディングをするにあたりどのようなアレンジをするのかは、昨年の12月で一旦終わっていました
鳥越: むしろ、曲は多くできていて、アルバムにどの曲を入れようかという感じでした。そこにアルバム向けに作った曲も加わっているので、初期の頃にやっていた曲で音源に入れられなかったものもあります
---お話を聞く限り、スムーズにレコーディングは進んだわけですね
大濱: でも、1曲だけ歌詞が直前までできていないものがありました
鳥越: レコーディングの最終日に歌録りをして、その前日まで歌詞が決まらない曲があり、それが3曲目の「yell」ですね。詩織さんが1日で仕上げてくれました
上野: これは結構、頑張った。難しかったですねこの曲は
大濱: 結構わかりやすい曲なので、曲に寄り添うのかどうかの兼ね合いが難しくて、そのまま歌詞を書いちゃうと何かが違うなという感じがしていて、苦労しました
---それでは、アルバムの中で印象に残っている曲について、それぞれお聞かせください
鳥越: 全部いい曲なんですよね、、、その中でも今話題に上がった「yell」がとても好きですね。アップテンポでメロディーもわかりやすくてキャッチーな感じだと言うこともありますが、歌詞がいいですよね
上野: 最初は、何が言いたいかわからない、って言ってたよね
鳥越: いやいやいや、そこから変わったじゃないですか。結構印象が変わって、僕は好きですね
---この曲は詩織さんが歌詞を書かれたとのことですが、アルバムの他の曲はどなたが歌詞を担当されたのでしょうか
大濱: 「デイドリーム」は心晴さんで、「yell」も含めわりと詩織さんが書いていて、何曲かを自分が書きました
---詩織さんが作詞された曲が多いのですね
上野: 今まで歌詞を書いたことはなかったのですが、歌詞で悩んでいる曲がありせっかくだからみんなで書いてみようとなって、私が書いた詞が採用されたことがありました。そこからずるずると、、、
---ずるずると、って(笑)。以前のインタビューの時に詩織さんも歌おうという話はありましたが、まさか作詞をされていたとは
上野: 以前のインタビューの頃(2018年6月)は、歌詞を書くとか考えてもいなかったですね
鳥越: 昨年8月頃に11曲目の「ジオラマ」を作っていて、元々曲はあって歌詞もついていたのですが、それを使うかどうかという話になりせっかくなのでみんなで歌詞を作ることになりました。そこで詩織さんが持ってきた歌詞がとても良くて、そこから詩織さんに頼もうということになりました。割とバンドにとってターニングポイントでしたね
大濱: びっくりしましたよ、ホントに
---そんなことがあったのですね、バンドにとっても詩織さんにとっても転機だったわけですね。それでは印象に残っている曲について、心晴さんお願いします
内田: 最近バンドでラジオをやっていて、そこでは「僕の部屋」を気に入っている曲として上げましたが、それ以外の曲もギターを重ねたりしていて、個人的にはどの曲も思い入れがあります。ただ、その中でもやっぱり「僕の部屋」が好きですね。アコースティックギターと歌とハーモニカ、あとトライアングルが一発鳴っていて、それだけのシンプルなアレンジでとても歌詞が印象に残る点、あとメロディがとても良く他の曲とは違っています。どの曲もギターのアレンジに最後まで悩んでいて、結果的にいろいろな音色を重ねたりした中でこの曲はシンプルで、だからこそ印象に残っています
---実は私もこの曲が好きです、歌が残る感覚があって印象的です。それでは詩織さんお願いします
上野: 私もラジオで話しましたが、「evergreen」です。私は大濱くんの作る歌詞が本当に好きで、この曲は大濱くんが作詞した曲なのですが、青春時代の鬱々とした感じが思い出されてとてもエモくなり、自分として好きな曲ですね。どちらかというと丁寧に演奏している曲が多い中で、この曲はバーンと解放するような、パッションを前面に出している曲でライブで演奏しても楽しいです
---それでは最後に、大濱さんお願いします
大濱: 僕はアルバム全部が好きですね。アルバムを50分くらいかけて聴いていくわけですが、毎回「ジオラマ」のアウトロに入るタイミングでグッとくる。そこにつながっていたかのように聞こえてきて、「扉の向こうへ」といって最後に扉を開けて世界が拡がっている。「ジオラマ」で本当にいいアルバムだなと毎回感じています
---フルアルバムということもあり、思った以上にいろいろな曲で構成されていますよね。それだけに聞く人によって、好きな曲はそれぞれなんだろうなと感じています
内田: だからこそ曲順は悩んだよね
---今の話を聞く限り、この曲順がベストだったということですね
大濱: ベストですね
---ラスト前の曲のアウトロが1番高まるということからも、アルバムとして完全な流れでしょうね
大濱: ラスト1曲は、余韻だけで聴く
内田: でも、余韻で聞いてもいい曲と思えるから、あの曲も凄いよ
鳥越: その「ブルースター」はクラウドファンディングのリターンで作成した曲だったのですが、いい曲すぎてアルバムに入れたいねという話になり、支援していただいた方に許可をいただき入れることになりました
---そうだったのですね、許可をいただけて良かったです。そして、クラウドファンディングをやった価値が本当にありましたね
上野: 感謝しかないですね
鳥越: メンバーの中で心境の変化もありました、応援してもらっているわけだからちゃんと返したいと
大濱: 独りよがりではいけない、改めてそう思いましたね
---達成して本当に良かったです
大濱: 達成してなかったら今頃どうしていたんだろう、、、クラウドファンディングが成功して、精神的にもかなり救われていますね
鳥越: 支援いただいた方からのコメントが並んでいるのを見て、グッとくるものがありましたね。自分たちだけで作っているわけではないんだ、と
大濱: 支援してくれたと言うことは、アルバムが欲しいということですからね。本当にありがたいことです
---次にアルバムタイトル『クロールで旋回しながら』に込めた想いについて教えてください
大濱: これは僕がつけたタイトルですが、自分の人生のテーマは「新しくて耳なじみのいいメロディを探す」でして、それを広く知ってもらうことが一番の夢だったりします。クロールというのは自由形のことで、らせん状に人類が続いていきDNAが残されていく中で、新しい音楽を探す旅というイメージでつけました。自由に音楽を探す旅ですね
---このタイトルを聞いて、みなさんどうでしたか?
大濱: 最初に伝えたときは、「こいつ何言ってるの?」という雰囲気でした(笑)。めっちゃいいタイトルだと思いそれぞれに伝えていったのですが、見事にポカーンという感じでしたね
鳥越: 大濱くん感がありますよね
上野: 3日くらい経ってしっくりきましたね。あ、いいのかなって
大濱: 思いついた日は、眠れなかったよ
鳥越: 3日くらい経ってからというのは、みんな同じかも。大濱くんっぽい、いいタイトルだなと
大濱: 高1まで水泳をやっていて、クロールの選手だったこともあります。水と音楽は自分の中ではつながった存在で、水関連で曲を思いつくことが多いです。シャワーを浴びているときとか、プールとか
鳥越: 独特、だね
大濱: 自分にとっては、水が大事ですから
---そういえば、ジャケットの写真も水ですよね
鳥越: アーティスト写真もそうですが、ジャケットのアートワークはChiaki Matsushimaさんにお願いをしていて、アルバムタイトルから水族館の写真を使ってもらうことになりました。とてもセンスがよく、自分たちの感性と一致しています
大濱: 写真は全て彼女にお願いしています
---アーティスト写真は公園ですかね、どこの公園でしょうか
大濱: 梅ヶ丘にある大きな公園で撮りました
鳥越: 梅ヶ丘と東松原の間にある、羽根木公園ですね
---あ、羽根木公園のプレーパークの所ですね。そんな身近な場所で撮っていたとは
---そして、リリースパーティーはワンマンライブです。リリースパーティーがワンマンライブというのはあまり聞かないような気がしますが
上野: 純粋なワンマンではなく、ギリ、ワンマン?
大濱: 最初は何組か呼んでリリースパーティーをしようと考えていましたが、僕らを楽しんでもらうのならワンマンがいいんじゃないかと
---しかも、土曜日ですからね
大濱: ぜひ来てください、ちゃんと来てくださいー。弾き語りをやったり、心晴さんのアイリッシュバンドの曲をやったり、ワンマンライブと言うよりはワンマンイベントですね。いろいろと楽しめる内容になっています
鳥越: 先ほど話題に上がったChiakiちゃんの展示もあります
内田: よくあるワンマンライブというより、リリースパーティーに近いですね。応援してくれている人はもちろん、今までも見たいと思っていた人、興味がある人など、ワンマンで自分たちだけのほうが見に来てくれる人が多いんじゃないかと。だからこそ、自分たちができることは全部やった上で、来てもらえる人に楽しんでもらえるような、感謝祭のような感覚のワンマンですね。
---1時間半とか2時間、曲をやり続けるという形ではないということですね
内田: 大濱くんの弾き語りがあったり、僕が別でやっているバンドの演奏をしたり。そのバンドもロックバンドではなく、カフェとかでやっているような民族音楽ですからね。そして、本編のshannonsのライブをやった後に、お客さんと飲もうと。一緒に飲みながらアルバムを聴く、交流会みたいな感じですね
---むしろshannonsファンにとって、とてもうれしいイベントになりそうですね
上野: フロアーを居心地の良い空間にしたくて、イスを多めに出したりするつもりです
内田: 正直、僕らも2時間立ちっぱなしでライブを見るのは辛いですから
鳥越: 入り口とかも入りやすくしようって、話してるよね
上野: 運動会みたいに(笑)
大濱: なごやかな雰囲気でできたらと考えています
---とても楽しそうな、まさにリリースパーティーという感じのイベントになりそうですね
---最後に、今年の活動予定について教えてください
大濱: MVをいっぱい出したいですね
鳥越: 以前に話したけど、ネットでコンスタントに作品を出していきたいよね、月1くらいで出せたらいい
---そういえば、スタジオライブも頻繁にされてますよね
鳥越: スタジオに入るときにいつもやっているので、週1くらいでやってます。まだ試している段階ですけど。ライブハウスでのライブを1年続けてきましたが、もう少し模索してみたい。良くも悪くも、バンドのテイストとしてライブハウスでお客さんに知ってもらうのは難しいような気がして
内田: 難しいというより、今の時代に合ってない感じがします。今は、そもそもライブハウスに行く人が少ないので
鳥越: ライブハウスで出会う人だけじゃなくて、普通に日常を過ごしている人に聴いて欲しくて模索している感じですね
---確かに、ネットで気軽に聞ける取り組みは重要ですよね、特に今の時代は
鳥越: 知ってくれる人を増やす活動と、より好きになってもらう活動を考えたときに、知ってくれる人を増やす活動はライブハウスじゃないなと思っていて。ネットを知ってもらって、ライブに来てくれる流れを作りたいですね
---最近増えていますが、もっと多くいてもいいのにと思っています
上野: クオリティを気にしすぎちゃうとできない
鳥越: トライアンドエラーを繰り返してますね、やりながらという感じですよね
---今の時代だったらどんどん出すべきですね、反応もダイレクトにわかりますから
鳥越: アルバムを作って販売するわけですが、買ってくれた人が聞いてくれて拡がっていくのは今の時代は限界があります。ある意味、音源はタダで聞けるくらいじゃないと無理だろうな。もちろん、好きな人には買って欲しいけど、サブスクをはじめとしていろいろなところで「shannons」が聞ける状態にしたいですね
---どんどんチャレンジしてもらいたいです。それでは、最後にワンマンライブへの意気込みをお願いします
鳥越: アルバムにしてもそうですが、shannonsはいろいろなバリエーションの曲があって、通常の30分のライブだとやりにくさがありました。でも、今回はワンマンでたくさんやるので、そのバリエーションを楽しんでもらいたいです
内田: shannonsはまだ、去年はじまったばかりのバンドなので、この1年でどのくらい成長したのか、去年の活動しか知らない人には特に見て欲しいです。大濱くんの弾き語りが彼の声が活きていていいというのは僕らの中でも感じていて、バンドとしての音作りを見直しています。その上で行った直近のライブがとても良く、自分たちとしても手応えがあったと実感しています。ライブもワンランク上がったと感じているので、2年目のスタートという感じで見てもらいたいです
上野: めっちゃ頑張るんで、めっちゃ来てください! 去年のインタビューでも言いましたけど
---確かに、言ってますね(笑)
上野: 居心地の良い空間を作って、純粋に音楽をみんなで楽しめたらと思いますので、皆様お誘いあわせの上、ご来場をお待ちしております
大濱: 色々な僕らを見せることができたらいいなと、温かい曲もあれば圧倒したい曲もあります。最近、ライブを見直してとても良くなっていて、それぞれが自分を出せるようになっています。メンバーを本当に信頼して、そこに自分の歌をのせている感覚ですね。ぜひ、見てもらいたいです
---アルバムのリリース、そしてワンマンライブがより楽しみになりました、ありがとうございました!
『1st full album『クロールで旋回しながら』release one man Live』
2019年4月13日(土)
新宿SAMURAI
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥2500(+1D¥600) / DOOR ¥2500(+1D¥600)
・shannons [ one man ]