「エレクトリックリボン」316NIGHT vol.9 インタビュー

2019年7月26日(金)に下北沢MOSAiCで開催される316NIGHT vol.9『ガールズエレクトロスリーマン』、出演者インタビュー第2弾は「エレクトリックリボン」です。

エレクトリックリボン
エレクトリックリボン

---エレクトリックリボンは結成何年目でしょうか

室井ゆうさん(以下、ゆう): 12年目ですね、2017年の年末に10周年でした

---12年、考えていたより遙かに長い歴史のあるのですね。現在のメンバーの皆さんはいつ頃加入されたのでしょうか?

pippiさん(以下、pippi): 加入順としては、pippi、ゆう・あおい、その後にあずみになります

ゆう: けど、あずみは出戻りなので

小田あずみさん(以下、あずみ) : 元々の加入時期を考えると、一番古いです

---ちなみに、オリジナルメンバーの方はいつまでいらっしゃったのでしょうか

pippi: エレクトリックリボン創設者は里本あすかさんで、2015年10月に卒業されてます。私は一緒に活動していた時期があります。昨年までエレクトリックリボンにいたericaがオリジナルメンバーだと思われがちですが、彼女は後から誘われて入ったメンバーですね

pippiさん
pippiさん

---そうなのですね、ステージの存在感的にもericaさんはオリジナルメンバーだと思っていました。12年目という年数に驚きましたが、よく考えたらアイドルはメンバーが入れ替わるのが当然ですね。実は、316のイベントにアイドルの方が出演されるのは今回が初めてです

pippi: エレクトリックリボンも元々アイドルからスタートしたわけではなくて、最初はバンドのようなスタイルではじめたようで

ゆう: バンドというかDJ機材があって歌う人がいて、みたいな

pippi: 感覚的にはアイドルというよりは、どちらかというとバンド寄りでしたね。ericaが加入して3人体制になったのですが、その時に出演したイベントの中で掟ポルシェさん(ロマンポルシェのボーカル)から「君たちはアイドルと名乗りなさい」と言われて、そこから流れでアイドルになったそうです

ゆう: すごい、知らなかった

---そんな歴史があったのですね

pippi: 実際、私が加入したのは2015年で、DJが2人いてフロントメンバーとして3人が歌っていて、私は元々DJでした。歌って踊る志望でしたが加入したときはDJで、元リーダーの里本あすかが卒業したタイミングでDJを廃止して、全員フロントメンバーとなってアイドルという形になりました

---全く歴史を知らなかったので驚きです。室井さんとあおいさんが入ったの

美伎あおいさん(以下、あおい) : 2017年3月ですね、加入して2年ちょっとです

---そして、あずみさんが再加入されたのはいつでしょうか

あずみ: 2人が入った3ヶ月後の2017年6月ですね

ゆう: だからほぼ同期ですね、本当は先輩なんですけど

あずみ: 最初にため口にしてと、伝えたよね

小田あずみさん
小田あずみさん

---みなさんはオーディションで加入されたのでしょうか?

pippi: あ、オーディションの話をしますか? めっちゃ長くなりますけど。まずpippiから話しますと、2014年にエレクトリックリボンのメンバー追加オーディションを受けたのですが、その時は落ちてしまって加入したのがあずみでした

ゆう: あずみとpippiがオーディションを受けて、通ったのはあずみだった

pippi: その後、事情があってあずみが辞めることになって、追加オーディションをめげずに受け合格、加入しました。そして2016年12月に、それまでセンターになる人がなかなかいなかったので、センターを募集するオーディションを実施しました。そのオーディションに合格したのがゆうちゃんとあおいです

ゆう: でも、ゆうもちょっと特殊で、私はそもそもオーディションとも違っていて、髭男爵の山田ルイ53世プロデュースのグループにいたのですが、そのグループが解散することになった時に直接ぇっかちゃん(ericaさん)から「実はメンバーを探しています」という感じでお話をいただきました。お話をしたり歌を聴いていただいたりして、オーディション前に加入することになりました。だから、あおいのオーディションを私は見ていたわけです、同期ですが先に決まっていたので

室井ゆうさん
室井ゆうさん

あおい: あおいは一般人として、特にセンターに出る性格でもないですが応募しちゃいました。私以外で最終面接の人は、アイドル経験がある人ばかりだった

pippi: オーディションの時って特技を聞くじゃないですか、みんなダンスは負けないとか根性だけはみたいなことを言いますが、あおいちゃんは「私はパシリだったらできます!」って(笑)

あおい: なんか、経験者の人たち相手に勝てるモノがないなって思って

ゆう: 最後の質問みたいな感じで「エリボンのためにできることは何ですか?」みたいな内容だったのに、1人だけ「パシリです」ですから(笑)

あおい: みんなプライドが高そうでパシリはしなさそうだったので、そこなら勝てるぞみたいな。プライドの低さを武器にしましたね

pippi: 逆にそれがめちゃめちゃ面白いじゃんってなって、それが決め手だったなって。別にパシリに使いたかったわけじゃないけど

あおい: パシらされてないです(笑)

pippi: めっちゃこのコ、面白いって。ゆうちゃんは歌がうまくて圧倒的にかわいかったから、センターをやってくれるんじゃないかなって

ゆう: 私が話をもらったときは「センターオーディション」とは聞いてなくて、後になってそうだったんだって。ちょっと恥ずかしかったよね、センターオーディションをやりますって言われて舞台に出るってハードルが高いですよね

あおい: 最終オーディションの時に、「こちらは一足先に合格した室井さんです」って紹介されて、「え? もう、1人決まってるの? センターって1人じゃないの?」みたいな動揺がありましたね

美伎あおいさん
美伎あおいさん

---そんな経緯だったのですね。そして、あずみさんですが、実はエリボン再加入前に私はお会いしています

あずみ: エリボンを辞めた後入ったグループで活動していた時に、下北沢カレーフェスティバルというイベントでお会いして

---私が下北沢カレーフェスティバルのイベント担当をしていて、ライブでも出演してもらいましたが、それ以外にも下北沢のカウンターだけのバーでオリジナルカレーを売るという企画もやりましたね

あずみ: 20食限定で販売しましたね

---その後、気がついたらエレクトリックリボンに再加入されていました

あずみ: 前のグループを卒業するとなったときに、私もぇっかさんから声を掛けてもらって

pippi: ゆうちゃんもあずみも、タイミングがちょうどだったんですよね

エレクトリックリボン
エレクトリックリボン

---続いて、エレクトリックリボンの音楽について。楽曲のこだわりなどを教えてください

ゆう: 女のコが作るカワイイ、キラキラしたエレクトロサウンドを中心に、エリボンを作った里本あすかさんが曲を書いています

---全曲、里本あすかさんが担当されているのでしょうか

pippi: 過去の曲はほぼ全部で、あすかさんが卒業してから3年間は別の方が書いていましたが、今の4人体制でセルフプロデュースになったときに再び新曲をお願いしました

ゆう: 昔の曲とその3年間の曲では、エレクトロの中でもちょっとジャンルが違っていますね

---先日からフルアルバム制作のクラウドファンディングがスタートしていて、その中でメンバー1人1人が楽曲を発注するということが書かれていますが、とても興味深いです

ゆう: 4人でエレクトリックリボンを続けるとなった時に、グループ全員が同じ方向を向いているのもいいけど、それぞれ性格とか表現の仕方や言葉選びが結構バラバラだったりしていて、逆にバラバラであることを活かせるんじゃないかと。好きなモノももちろん違うから、それを出していってもいいんじゃないかなと考えました。もちろん、大事なところはグループ感を出さないといけないと考えつつ、表現の部分は全て揃える必要はないよねと

---アイドルそれぞれのメンバーが、このような形で楽曲制作に関わるのはあまり聞いたことがないです

ゆう: あまりいないかもしれないです。実際に私たちもこれまでは、完成した曲を歌っていたので

---とても共感が得られるクラウドファンディングだと感じました。アルバム制作にしても、11月10日のワンマンライブ開催にしても、自らがエレクトリックリボンを続けていくために必要なことを考えた上でということですからね。ファンにとっても支援する意味があるし、そして何よりも楽しみだと思います。どのようなアルバムができるのでしょうか?

pippi: 4人とも好きなジャンルが全く違うので、逆にアルバムの中に色々なジャンルが入ってきますね

ゆう: もちろん統一感を出してアルバムを作ることもできるのですが、1人1人の個性を生かして、「こういうのもできるんだ、これもこれもできるんだ」と。そういうモノになった方が、この先もっと面白いことができるんじゃないと私は思っています

pippi: 元々、エレクトリックリボンはアイドルとしてはじまったわけではなく自分たちで曲や構成を作っていたので、私としては昔のエレクトリックリボンにすこし戻ったという印象もあります。一方で、メンバーは変わっているので、さらに新しいエレクトリックリボンをみんなに見せられると思います

ゆう: グループが長く続いているからこそ、同じ枠にいるべきなのか。もちろん変わらない部分、大事にすべき部分を持ちつつ、変化していくのはいいんじゃないかと思っています。逆に変わらない方向性だったら、今この場にいない人もいたかもしれないし、、、

---そのクラウドファンディングですが、驚いたのは1日で100%達成していて、さらに伸び続けています

ゆう: 1ヶ月で達成しようという気持ちで動いていたので、正直びっくりしたのもありますが、それくらい今の自分たちに期待してもらえていると考えると本当にうれしいです

あおい: ゆうちゃんも話したとおりで4人とも曲の好みがバラバラで、特に私は3人とは被らないので、この話が出たときに「ついに私の番が来た」と思いました。運営さんがいた時は言われたことをやっているだけで、もちろん今ある曲も好きですが、今までの曲とは違う感情が今回のアルバムの曲達がありますね。なんだろう、私が親になったみたいな。曲作りの最初の部分、イメージをお願いしたり、実際に上がってきた曲を聴いてとやっていると余計にそう感じます。歌割りについてもこれまでは運営さんが決めていましたが、曲の隅々まで見ていますからね、曲に対して親心が湧いてきます

あずみ: 先ほども話したとおりエレクトリックリボンは12年目ですが、フルアルバムは1枚しか出していなくて、その2枚目を自分がメンバーとしているタイミングで出すことができるのがとてもうれしいです。曲もほぼ新曲となので、新しいエレクトリックリボンを見せることができたらいいなと思っています

エレクトリックリボン

ゆう: 確かにセルフになり立ててフルアルバムを作りますって、リスキーだよね

pippi: セルフになってから自分たちでやらなきゃいけないことも増えていて、これまでは振付師の方に完全に丸投げをしていましたが、セルフになってからはあずみがダンスをつけたり

あおい: 今回のアルバムに関しては、自分で頼んだ曲は自分自身でフリをつけようかと話をしています

pippi: pippiはすごくダンスが苦手なんですよ、そういう苦手意識を克服させるためにも挑戦するのはいいかなと思っていますけど、、、わかんないです(笑)

---歌とダンスはまた違う才能でですからね、そういう意味でも期待しています!

エレクトリックリボン
エレクトリックリボン

---そして、今回のイベントですがカトキットとIRIS MONDEとのスリーマンです

ゆう: カトキットも大好きだし、IRIS MONDEもさったんと仲がいいので。ただ、対バンしたことはあるけどそこまで深く話はしていないです。私はあまり好きじゃないのですが、アイドルはみんな出番が終わったらすぐ帰るのが当たり前になっているから、対バンの相手の方との交流はあまりないです。フロアにいるのも本来はよくない、みたいな

あおい: なんとなくそういう風潮が

---そうですよね、基本はステージでのアクトと物販ですからね。そういう意味では室井さんは違いますよね、そもそも今回のスリーマンライブはカトキットのライブに遊びに来ていた室井さんに、カトキットと対バンしたいですかと尋ねたところからはじまっているので

ゆう: 私は好きなモノは好きだと言ってるし、ライブも観に行きますから

pippi: 他のアイドルさんだと外に出ないようにと言われたりしますが、エリボンは好きなバンドさんやアイドルさんと一緒になったときは普通に観てますね。あおいちゃんとかめっちゃ観てるよね

エレクトリックリボン

あおい: 私は元々アイドルオタクをやっていたので

---は?

あおい: エリボンも現場でライブを観て知ったので

pippi: あおいちゃんは本当にオタクで、アイドルの大きなフェスに出演する時は自分の中でタイムテーブルが決まってるんです。これとこれを観て、自分の物販をやって、その後さらに観に行く。結構、行方不明になってますね、ステージだけじゃなく物販にも行ってきたーって。あ、ちゃんと自分のライブはやってますよ

あおい: セルフプロデュースになってから、特に現場復帰をしていますね。エリボンに入りたての時は、自分もアイドルという立場になるのでお客さんではなく同じステージで頑張ろうね、というスタンスにしてと言われていたのですが、最近は結構行っちゃってますね、お客さんとして

ゆう: すごくいいことだと思いますけどね、表現する側も観ないとね

あおい: 自分も頑張ろうってなりますね。オタクとしてみるアイドルさんと、アイドルとしてみるアイドルさんでは全然違うので、すごく勉強になります

---はじめて聞く情報が次から次へと出てきて、軽くパニックです。それにしても名言です「オタクとしてみるアイドルさんと、アイドルとしてみるアイドルさんでは全然違う」。ちなみに、あおいさんがアイドルオタクでエリボンも現場で見つけたということはファンの皆さんはご存じなのでしょうか

あおい: たぶん、知ってますね。私がオタクであることは周知の事実なので

エレクトリックリボン

pippi: それを言ったら私も最初はエレクトリックリボンのファンだったんですよ。アイドルになりたいという気持ちよりは、エレクトリックリボンに入りたいという気持ちが強かったので

---そうなのですね、なんとなく他のアイドルとは違うなと感じていましたが、謎が解けてきました

pippi: みんな変わり者なんですよね、過去のメンバーも含めて変わり者が多すぎる

ゆう: 絶妙なバランスで成り立ってるなって思います

pippi: すごく不思議なことがあって、普通のアイドルさんって自分が一番かわいく見せたいとか、自信を持ってアイドルをされている方が多いと思いますが、エレクトリックリボンって自信がありながらもどこか自分に自信がないような、そんな女のコが集まっています。「私が!私が!」というよりは譲り合い精神みたいなものが強くて、「絶対に私がここの落ちサビを歌いたい!」とか「センターに行きたい!」とかそういうコがいないんです

ゆう: 確かに、向上心がないわけではなく、蹴落としたいとかそういう気持ちがないですね。センターに立ちたいという思いを持つアイドルは多いですよね

---熾烈ですよね、アイドル同士の戦いでもありますが、同じグループ内でも争いのイメージが強いので。全く感じないですよね、エレクトリックリボンは。ああ、対バンの話を聞くつもりが結局皆さんの話になってしまった、、、そんな今回のスリーマンですが、あずみさんどうですか?(突然振る)

あずみ: あ、、、うれしいです!

エレクトリックリボン

一同:(笑)

ゆう: 小学生?(笑)

---持ち時間は45分間ですが、比較的長めですよね

ゆう: 長いですね、対バンライブではほとんどないです

あおい: 大体25分か30分なので

ゆう: 45分やるとなったら自主企画しかないですね

---いつものライブでは聞けない曲が聴けそうですね

ゆう: 今回、カトキットのあっけちゃんにアレンジをお願いしている曲があって、それが初お披露目されます。あっけちゃんのアレンジですが、カトキットの音楽とも違うから、カトキットのファンの皆さんもあっけちゃんがエリボンをイメージしてアレンジするとこうなるんだと感じてもらいたいです

---最後に、意気込みをお願いします

ゆう: カトキットのライブに行ってもエリボンのライブにいる人を見るし、IRIS MONDEにも共通のファンの人がいるんですよ。だから、そういう人がもっと増えるイベントになるといいなと思っています。エレクトロとは言っても、もちろんカトキットとIRIS MONDEは違いますからね。自分たちでは組めないイベントだったと思うので、うれしいです

---ありがとうございました! イベント当日、楽しみにしています

エレクトリックリボン
エレクトリックリボン
316NIGHT vol.9 『ガールズエレクトロスリーマン』
316NIGHT vol.9 『ガールズエレクトロスリーマン』

2019年7月26日(金)
316NIGHT vol.9
『ガールズエレクトロスリーマン』
下北沢 MOSAiC
ADV 2400円(+1D)/DOOR 2900円(+1D)/学割:大学・専門学生以下1400円(+1D) *学生証提示
OPEN 18:30/START 19:00
[出演]
・カトキット
・ エレクトリックリボン
・IRIS MONDE
[チケット発売]
主催者手売りチケット、出演者予約、MOSAiC公式
https://316.rocks/316night-09/