「あみのず」そして「紺野メイ」というミュージシャンについて 

たぶん、「あみのず」に出会って2019年終盤の自分にとってのライブハウスライフは確実に方向付けられた。年間200回近くライブハウスに通っていたけど、その回数が一気に収束することになったのだ。

忘れもしない、2019年9月2日下北沢MOSAiC。その時点では発表していなかったけど、既に316NIGHT vol.12に「あのね」の出演が決まっており、この日は彼女たちのライブを見に行っていた。「あのね」というバンドはとても魅力的で出会った瞬間から、316NIGHTに出てもらいたいと思っていた。そして、出演が現実となりどうしてもMOSAiCで見てみたい、そんな思いを抱き本当はこの日から京都に行く予定を1日遅らし、MOSAiCに向かったのだ。

彼女たちはこの日もマイペース、でも秘めたポテンシャルを解き放つライブを見せてくれた。ああ、やはりこのバンドはステキだ、自分のイベントに出てくれることになって本当によかった、そんなことを考えているとこの日のトリとなるバンドのアクトがはじまった。正直な話、最後まで聞くつもりはなかった、とりあえず一曲聴いてみよう、そんな気持ちを知るよしもなく「あみのず」は演奏をはじめた。

スリーピースでギターボーカルは凛としてすらりとしたショートボブが似合う女のコ。空気を一気に切り裂くドラムのイントロに、ギターがMOSAiCに響き渡る。この声をどのように形容したらいいのだろう、ささやき声的なウィスパーボイスとも違う、今までに聞いたことがない、とても心地のよいボーカルだ。包み込むとも違う、刺さってくるとも違う、気がついたら彼女の声がこの空間を満たしていた。あみのず「カーテンの向こう側」、何かに出会ってしまった瞬間であった。

「花の画」「アシカ」、ゆったりとしつつ彼女の声に満たされた空間。ライブハウスはこんなに心地のよい空間だったのか、連日ライブハウスで様々な音楽を聴き漁る自分にとって、あみのずの音楽は全てのことを真っ白にしてくれる、そんな衝撃を与えてくれた。

そして、「水とフォルム」がはじまる。印象深いベースのイントロ、そこに入ってくる無機的なボーカル、そしてそんな平穏をスッと切り開くギターサウンド。独特な心地よさ、重めの浮遊感、響き渡る魅惑的な歌詞。もはや完全に虜だった、あみのずの音楽に。

はっと気づく、この音楽聴いたことがある。実は、あみのずと「水とフォルム」のことは316で既に紹介していたのだ。

https://316.rocks/2018/10/aminos_mizutoforum_mv/

そうか、あの『あみのず』を今、聞いていたのか。なんてことだ、どうしてもっと早くライブに来なかったのか、、、。

というのも、実はあみのずの「紺野メイ」というシンガーには、ちょうど一年前に出会っていた。2018年大阪心斎橋にある「歌う魚」、316NIGHT vol.6にYURERU PINK TOPAZとして出演してくれる「なかのいくみ」ちゃんの弾き語りがあったのだ。

もちろん「紺野メイ」というシンガーはこの日初めて知った。確か、いくみちゃんの前の出番だったよな。ふわっとしてて、でもなんか東京でバンドをやってるからって話を聞いて、これ、たぶんバンドだったらめっちゃ映えそうだと思ったことを覚えてる。残念ながらその後、JANUSに移動しなくてはならずこの日は紺野さんと話すこともなかった。

ああ、時が過去に遡りすぎているので、再び9月2日の下北沢MOSAiCに戻る。「summer porpoise」、インタビューでも話題に上がった曲。porpoise=ネズミイルカ、ネズミイルカなんてレアなイルカのことをタイトルにつけるくらいだから、紺野さんはどう考えても海の生き物が好きなんだろう。と思いきや、インタビューで聞いてみたら好きだけど詳しくないとか、、、えええ、どう考えてもイルカに乗っていそうなのに(妄想)。

もう、この辺りに来ると完全にあみのずと紺野メイの世界に引き込まれてしまっていた。確実にそこにいるはずなのに、なんだかそこにはいないような彼女が歌う、

「恋をしたり キスをしたり したいな」

もう、イチコロなのである。言葉にならない、、、。この日のことを、自分はこうツイートしている。

音源ね聞いたよ、聞いたさ。次の日から9月のイベントの準備で京都に行ってたのに、正直「あみのず」のことが気になりすぎてて、音源やら色々なことを調べまくったくらい、、、。9月に京都で開催された316NIGHTから東京に帰ってきたその日に「あみのず」のライブにいってるし。結局、出会ってから2ヶ月で8回のライブに足を運ぶことになった。バンドもソロも頻繁にライブをやっているタイミングということもあったけど、人生でここまで短期間に同じアーティストのライブを見たのは初めてだった。スキすぎじゃん!

そんな「あみのず」が初となるワンマンライブを本日12月13日金曜日に吉祥寺シルバーエレファントで行う。これまたインタビューで聞いているけど、ワンマンライブ開催の経緯もなんだかとってもふわっとしていたけど、そこに向かってしっかりとスケジュールを組んできたことを知っているので、本当に本当に期待している。完璧な状態での“あみのずサウンド”を、たぶん今日聞くことができる。

本人が“楽しみます”と言っている、間違いないだろう。あのステージで楽しそうに歌う紺野さんを見れば、誰もが楽しめるライブになる。そのうちの1人として、今日は思う存分楽しみます。

紺野メイ(あみのず)
紺野メイ(あみのず)
紺野メイ(あみのず)
紺野メイ(あみのず)
紺野メイ(あみのず)
紺野メイ(あみのず)
あみのず
あみのず
あみのす 1st oneman live”ハンドメイドロダ”
あみのす 1st oneman live”ハンドメイドロダ”

『あみのず 1st oneman live“ハンドメイドロメダ”』
2019年12月13日(金)
吉祥寺SILVER ELEPHANT
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV ¥2500
出演: あみのず

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