2020年12月5日(土)に京都・木屋町DEWEYにて開催される316NIGHT vol.15『令和二年冬・木屋町の陣』。当初、このイベントに出演予定だった「カトキット」ですが、あっけちゃんの体調不良により出演はキャンセルとなってしまいました。が、実はインタビュー自体は取っており、お蔵入りしてしまうのはもったいない内容なのでお送りします。
「カトキット」は316NIGHTに6回出演しており、「あっけ」ソロとしても3回出演、もはや316NIGHTには欠くことができないアーティストです。今年に入ってメンバー脱退から活動休止に入りましたが、コロナ禍で自分たちにできる事を模索し、5月10日にDEWEYで配信ワンマンを敢行。さらには、6月23日には大阪club vijonで盟友メイビーモエとの遠隔ツーマンライブを開催し、このような状況の中でも歩みを止めることはありませんでした。
そして迎えた10月26日、大阪club vijonで行われた2人体制初となるライブ。そのリハーサル後に二人にお話を伺いました。
---2人でのライブは本日のvijonが初めてとなりますが、そもそも2人でやろうという話はいつからされていたのでしょうか
こばやん(Dr.): 漠然と「2人でやろかー」と話していて、ライブが決まってからこの形態でやりたいって
あっけ(Vo.Syn.Gt.): 2ヶ月前ですね、松藤さん(vijon店長)から「松藤ロックでーへん?」と言われ、前と(*1)同じ事をしたいとは思わなくて、2人でやろうと決めました
*1:6月23日vijonで行われたカトキット×メイビーモエ 遠隔2man LIVEの際と同じ、サポートベースを入れた体制
こばやん: まあ、そうなるよなって感じですけど、そのためにはどうしたらいいんだろうと
---うっすらと2人でやろうとは思っていたけど、ホントにやる所までは進んでいなかったわけですね
こばやん: 具体的に何をどうするのか急にリアルになってきたから、どうしようって
あっけ: ほんまに
---そして、今日ですよ、無事リハは終わりました、よね
あっけ: めっちゃこわい、ぜんぜん無事じゃない、セッティングに20分かかったもんな
こばやん: まだ、今日やる内容を知ってるの俺ら除いて1人しかいないし
---その1人としてリハを見てましたが、バタバタでしたけど最初はあんな感じじゃないですか。まあ、やってみましょうよ、楽しみです
あっけ: まさか、ドラム使わないとはね
こばやん: ばっさりライブ感は捨てましたね(笑)、でも別にいいよなって感じです
---ドラマーが、それを言ってしまうのがすごいです
あっけ: そうそう、そうそう
---ドラムを使わないことも、2人で決めたのでしょうか?
こばやん: そうですね、やる前から「ドラム使う?」みたいな感じで、パットでいけるんだったら全部パットでいった方がいいんじゃないのって。どう考えても、やりたい音楽に生ドラムが合う気がしなくて
あっけ: ベースも打ち込みなので、電子パットの方が音の混ざりがいい
こばやん: 完成した音がスピーカーから出てくるから、ドラムだけが生だと浮いちゃうかなと思いました
---あっけちゃんの機材もシンプルになりましたよね、あのルーパーが無くなってパソコンとシンセ1台だけです、、、。実はあんなに機材はいらなかった?
あっけ: はい(笑)
こばやん: よし、ライブをやるぞってなって、まず最初にルーパーを売ろうってなりました
あっけ: ルーパーを売って、4OUTのインタフェースを買いました
こばやん: ちゃんとパソコンを使って、ライブができるシステムを組もうと
---あのルーパーをMCでいじっているのが印象的でしたが、演奏中はそこまで使っていたわけではなかった
あっけ: 全く。押すだけ
こばやん: 実はギターボーカルシンセ+DJみたいな
あっけ: もう、全然ループさせてないから
---でも、最初の頃はループさせてましたよね
あっけ: 最初は使ってました、毎回崩壊してましたけど、、、そんな器用なことはできへん(笑)
---シンプルな構成になりギターも新しくなりました。似合いますね、今まで使っていたギターよりも
あっけ: お!
こばやん: よかったー!
あっけ: あれもこばやんのギターです
---そうなのですね
---リハでちょっとだけ聞いて思いましたけど、一時期カトキットはバンド感がとても強かったと思いますが、私が出会った頃(2015年頃)のエレクトロ感が戻ってきたのかなと
こばやん: 3人でバンドサウンドでやっていた頃から、もうこのサウンドはそろそろええんちゃうんっていうのはあったよな
あっけ: そうやな、そうやな
こばやん: でも、今までやってきた曲があるし、連続してライブが決まっていたから、どこで切り替えるのかタイミングが無くて
あっけ: だから、最後「ONGAKU」みたいな曲を作って、以降は出ずみたいな感じになってた
こばやん: 遅かれ早かれ、こうなっていたんじゃないかなとか
あっけ: 今の方がメチャクチャ歌いやすいですよ、中音が小さいから。もう、シンバルが近くにあるだけで「うっるさいな!」って(笑)
---今日のライブは4曲とのことですが、さすがにいきなり30分間フルはできない?
こばやん: できないですね
あっけ: 2ヶ月の限界が、4曲でした(笑)
---打ち込み部分がどうというより、全てが違う感じですか?
あっけ: やり直しですよ、全部
こばやん: この体制でライブをやるためには、一度レコーディングをするくらいの労力がいりますから
あっけ: その打ち込み、全部作ったの誰やと思います?
---うっ、それは(こ、こばやーん?)
こばやん: できない
あっけ: (笑)
---ですよね。ちなみに、分業的なことは?
あっけ: しようとして入れてもらったりしましたが、ゴタゴタしている間に2週間前になってしまって、自分でザーッと作ったのがまあまあ気に入ったので「もうこれでいいわ」って(笑)。
今後は手伝ってもらう予定です。本当はベースラインを入れてもらいたかったんですよ
こばやん: 全然使い方が分からなかったんです、音楽ソフトが、、、。今までずっとスマホでやってたから
---え、スマホで?
こばやん: スマホのガレージバンドで打ち込みをしていたので、パソコンでやると全く使い勝手が違っていて
---打ち込みするところまでいけなかった感じですかね
こばやん: そうですね(笑)
あっけ: こばやんはめちゃめちゃ曲を作れるんですよ、私より全然知識あるし。でも、MIDIデータを渡すところまではいけなかった
---今後、こばやんが作った曲がカトキットの曲になる可能性があったりするのでしょうか?
こばやん: いやー、わからないですね
あっけ: 気に入るかどうかですね、あと私が弾けるかどうかですね(笑)。今後はこばやんがギターを弾くのもいいかも
こばやん: まあ、何やってもいいかなって(笑)。別にパットじゃなくて、それこそパーカッションでも、ベースを弾いてもいいし
---今日ははじまりであって、ここからどんどん変わっていくということですね
こばやん: そうですね
あっけ: だいたい、まだ4曲しかないですし(笑)。「快感音楽」のリミックスを考えましたが、無理やったわー
こばやん: 無理やった、こうやりたいというのは出てくるんですけど、自分たちにやりたい音楽のバックグラウンドがなさ過ぎて。“愛のない編曲”をしたらいけないと
あっけ: (笑)そうやなー
---“愛のない編曲”ですか、確かにこれまで散々やってきた曲ですからね。適当にできない気持ちは、理解できます
あっけ: ワンマンをやるならサポートを入れることもできるし、もちろん2人でやることもできる。今はとにかくできる事を増やしていきたいです
こばやん: どこまで実験的にやって、どこまで音楽的なモノを残すとかね
あっけ: 晨くん(シンガロンパレードBa.)のサポートベースがめっちゃカッコよくて、あれ、生でもやりたいよな
---晨くんがサポートで入ったライブは2回とも配信のみで、無観客でしたからね
あっけ: 右にめっちゃ男前がいるやん! みたいな(笑)。ほんま、京都でいま一番男前なんじゃないかって。そして、彼のすごいところは、ベースラインを覚えてきてとしか伝えてなかったのに、コーラスも全部覚えてくる
こばやん: 「コーラス歌っていい?」って、自分から聞いてきたもんね
---なんと言っても、あの「シンガロンパレード」のベーシストですからね、歌わなかったら逆に弾けなくなるんじゃないかとか
あっけ: あるかも(笑)
---ワンマンの時に、どちらのカトキットが見たいのかと考えると、どっちも観たいですね。大切なライブの時には、こばやんのドラムとベースが入った体制で観たいです
あっけ: ファンサービスですね(笑)
こばやん: でも、この2人だけでライブを続けていたら、ライブ感が欲しいってなるよな
あっけ: ホントは最後に2分くらいの曲をもう一つ作っていて、ドラムを思いっきり叩いてみたいな感じで話していましたけど、なんか仕上がらへんかった
こばやん: 先にパットの音でサウンドを作ってしまったから、その状態でドラムを叩いてみると全然合わなくて、、、
---通常の30分のライブで考えると、ドラマーとしては難しい気もします。まあ、そんなサポートが入った体制のライブもそのうち観れると期待しています、来年にはやるんじゃないですか?
あっけ: シモキタさん(インタビューアー)が言うことは割とホンマになるから、ちょっと怖い(笑)
---かなり早いタイミングで言ってましたからね、「2人でやってください」と
あっけ: ほんまに、笑って聞いてたもんな「それはないなー」って
---そうだ、今日はいきなり新曲をやるんですよね?
こばやん: そうです、初めての曲ですね
あっけ: 4曲中の2曲
---新しい曲もできてますね
こばやん: 「へんなひとばっかり」いけるんちゃうん? あれ録ろうや
---あの曲は、最初に歌詞だけ読んだ段階ではイメージわかなかったけど、曲として聞くとすごくいいですよね
あっけ: いい曲ですよ、最後まで聞いてもらったら意味が分かりますし。まあ、ひねくれてはいるけど(笑)
---今日のライブでどんな感じになるか楽しみですね
あっけ: めっちゃ緊張するわ、、、
---え、いまさら?
あっけ: ちがうんです、、、「怒鳴りつける命」を最初に演奏したときも、むっちゃ失敗したもんな
こばやん: そうやな、僕ら体に染みこむまでに時間がかかるし
あっけ: しかも、人前で歌わな意味ないし
こばやん: いくら練習ではできても、ステージでやるのとは違うからな
---そんな緊張感も含め、楽しみにしておきます
---ちょっと抽象的な質問ですが、2人のカトキットになってどのような感覚でしょうか?
あっけ: どんな感覚、、、
こばやん: ライブアーティストというより、音楽集団的な感じになりたいのかな
あっけ: そうなりたいけど、目指すところはどこなんだろうな
こばやん: いい音楽を作るべくやる
あっけ: それはそうやな
こばやん: 「ライブで盛り上がろうぜ!」みたいなゴールではない
あっけ: 昔から「ライブで盛り上がろうぜ!」はゴールじゃないからな
こばやん: 音楽制作は好きやけど、バンド活動が好きなのかと聞かれると
あっけ: そやねん、そやねん、バンドマンと言われると「?」ってなる
---そうそう、元々そうなんですよね
あっけ: ずっとそうですよ。目指すサウンドは私としては「P-MODEL」、そして京都の「ハミリーコンプータ」や「モーモールルギャバン」とか、あの辺のポップでシンセの面白い感じを再び目指したい。あと、「Moccobond」や「nishikeke」さんのソロみたいなサウンドが好きで、自分のソロの編曲をお願いしましたが、アレに寄ったことをしようと思ったけど私らには無理だった。もっと、元気やった(笑)
こばやん: サウンドはあっけの好みに寄ってると思いますけど、元々あるフォーキーなところが絶対大事だと思うんですよ、フォーキーさを失ったらうちらのアイデンティティーがなくなってしまうんやろうなと。コードであり、メロディであり、歌詞であり、そこは何をやってもしっかりしているのがカトキットなんじゃないかなと思います
---めっちゃこばやんが説明してくれたわけですが、分かるような分からないような
あっけ: 想像して、想像して!(笑)でも、レコーディングしてミュージックビデオくらいは作ろうと思っています。皆さんの反応を見ながらどの曲にしようかと
---おお、2人でのMVですね
こばやん: いや、俺ら出る? 出んでよくない?
あっけ: そうなんだよなー、「出る?」ってなってくるよな。見栄えのいい人にさ、同じ衣装着てもらって
こばやん: ああ、いいやん
あっけ: カトキットこうなりました、美男美女やんって
こばやん: じゃあ俺、外国人になりたい、すごいスラッとして
あっけ: それならわたしは、クマさんのぬいぐるみがいい
こばやん: いやいや、それはかなり話が変わってくるぞ
---なんだかよくわからない展開ですが、MVも楽しみです
あっけ: そもそも2人でライブをやりますと告知はしたものの、みんな「2人でするってなに?」ってなってるじゃないですか。こんなことをしていますよってお客さんに提示しないと
こばやん: ちょい出しも、全くしなかったからな
---それはしなかったの? できなかったの?
こばやん: できなかったですね
あっけ: できんかったなー、スタジオで撮ろうかとか考えてたけど、二人っきりだし、わたし化粧もしてないし、、、
こばやん: そもそも、「よしできた!」ってなったのが一昨日やしな
あっけ: もう、パソコンがフリーズしたら、私は全ての電源プラグを抜いてフロアの真ん中で1人で歌います
---いいと思います、あなたには武器がある。で、こばやんは?
あっけ: この人は後ろで「うぉおおお!」って
こばやん: おかしいやろ!(笑)
---見たい、、、。よく考えたら、これは12月5日のイベントのインタビューなのに何も聞いてないですよ。どうですかこの日のDEWEYは
あっけ: もう、リハーサルはバキバキにできる予感しかしないから
こばやん: ホームというか、そこでずっと音楽を作ってきたから、こんな言い方はアレですが気楽ですね
あっけ: あとは、「電子てろてろ」と「かよこ」ちゃんでしょ。もう、eoに通ったふた組と、eoに5年連続くらい落ち続けたカトキット、、、ま、まあ、どちらも年下のバンドマンなわけじゃないですか、カッコいいなって思われたいよね
こばやん: めちゃめちゃ年の功感を出すな(笑)
あっけ: ミナホには出てたのにeoには通らないって、そんなことあるか?(笑)
こばやん: めっちゃマウントとるな。で、自分ら全国流通したことはあるんか?
あっけ: めちゃくちゃダサい、マウントや(笑)
---普通に「配信で全世界から聞けますよね」とか思われますよ
あっけ: はずかしい、はずかしい(笑)
---どんな終わり方なんだ、このインタビュー。ありがとうございました、12月5日楽しみです!
そんなインタビューの後に行われた、初となる二人体制のカトキット。その様子を、写真でご紹介します。
一言でいうと、「新しいカトキットがはじまった」ということなんだと感じました。以前からやっていた曲もアレンジが全然違うし、新曲をやっていたことも大きいのですが、やはりドラムもベースもいないカトキットというのはとても新鮮でした。
12月5日のDEWEYでは曲数を増やす予定と聞いていたので楽しみにしていましたが、冒頭でお伝えしたとおりあっけちゃんの体調不良により出演することはできなくなってしまいました。詳細を聞く限り、出演できなくて残念という気持ちよりも、早期発見することができてよかったそれに尽きます。まずは、体調を最優先にしていただき、改めて316NIGHTに出演していただきたいです。
尚、12月5日のイベントにはドラムのこばやんがソロで出演する予定でしたが、勢い余って新たなバンド「エクレアシティ・ボーイズ」を結成。バンドとして出演することになりました。ぜひ、12月5日のイベント「316NIGHT vol.15『令和二年冬・木屋町の陣』」にもご期待ください。
2020年12月5日(土)
316NIGHT vol.15
『令和二年冬・木屋町の陣』
京都・木屋町DEWEY
来場チケット:ADV 2000円(+1D)/DOOR 2500円(+1D)
ツイキャスプレミア配信: 2000円+システム利用料100円
OPEN 19:00/START 19:30
[出演]
・電子てろてろ
・かよこ(pont)
・エクレアシティ・ボーイズ
イベントページ: https://316.rocks/316night15/
[ツイキャスプレミア配信 申込み]
ツイキャスプレミア配信を希望される方は、下記のページからお申し込みください。また、コメント欄にお目当てのアーティストの名前をご記入ください。尚、配信チケット代2000円に加え、ツイキャスのシステム利用料100円が必要となります。
https://twitcasting.tv/316_rocks/shopcart/39137
[入場チケット 申込み]
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