『味覚と音楽。』むらまつえりかコラム

みなさまいかがお過ごしでしょうか。ねこね、こねこね。のむらまつえりかです。

音楽をしながらかき氷屋さんをするようになって半年ちょっと。2017年もそろそろ終わり。本当にいろんなことがあったなあ。

音楽も生活も、この1年で考え方や好みががらっと変わったように思います。変わった、というよりは、しっくりくるものに出逢った、のほうが近いかもしれません。それはまだ言葉にするには自分のなかでまとまりきれていないのですが、、、何かしらの形で表現できたらいいなあと思っています。

音楽をやっていてもそうなのだけど、お店をやっていると音楽をやっている以上にたくさんのひとと出逢い、関わります。趣味趣向が違えば、味覚も全然違うということに衝撃を受けました。。味の感想や他のお店の評判を聞いていると本当に様々で、自分の舌が信じられない、、なんて思うこともありました。味の好みや味覚の違いはひとによってそれぞれということは知っていたつもりだったけど、カウンター席が丸見えの厨房(お客さんからしたら厨房が丸見えのカウンター席、、)にいると、今まで見えなかったひとと食の面白さを知りました。

味覚(食べもの)も音楽と同じで、和食・洋食・中華等とジャンルがあって、作り手は自分がいいと思うものやおいしいと思うものを信じてつくっているのだなあ。

自分の舌が信じられない、、なんて思うこともあったと書きましたが、音楽も同じでたまに自分の耳や感覚が信じられなくなります。ひとの意見を聞いたり、ふとした声を耳にしたりすると「あれ?わたしこれでいいのかな、、」と立ち止まってしまうことがしょっちゅう。

でも、音楽も食べものと同じで自分がいいと思ったものを信じてやっていくのが、きっと純粋に一番いいことなのだろうなあ、と思います。

共通点をみつけようとすれば、なんだって繋がるのだろうとは思うのだけど、ふと味覚と音楽の共通項をみつけた、というよりは感じた、秋でした。

周りがどう思っても、自分はこれ!というものがあったらそれを貫くべき、ですね。

( 余談 )
いまかき氷屋さんをやっているのですが、今月からかき氷の他に「あんもち雑煮」が始まりました。香川県の郷土料理で、いりこ出汁の効いた白味噌汁の中に あんこ入りの丸餅が入るというこれまた好き嫌いの分かれそうなお雑煮。

どうしてお餅にあんこを入れようと思ったのだろう、、と気になって調べたら、先人の苦労と愛が詰まっているものでした。。

江戸時代の讃岐(香川県)には「讃岐三白」と呼ばれる特産品がありました。讃岐三白とは、砂糖・塩・綿。砂糖は和三盆で、当時砂糖は大変な特産品だったそうです。砂糖をつくるのは農民ですが、藩に納めなければならず 口に出来ることはなかったそうです。しかし、年に一度の正月くらいは贅沢したい、甘いものが食べたい、ということで出来たのが「あんもち雑煮」だそうです。

あんこに砂糖を混ぜてお餅に包む、そうすることで藩の役人の目を避けて一目では砂糖を使っているとは分からない様に工夫していた、というお話です。(それでも餅の中に餡が入っている事がバレてしまう事に備えて塩入りの餡が入った餅の「塩入りあんもち雑煮」も作っていたのだとか。)

はじめてあんもち雑煮を食べたときは「なんだこれは!おいしい、、!」と思っただけでしたが、先人の苦労で出来たものと知り、せつなく愛おしく感じました。

大昔は高級品だったお砂糖、いまでは1kg数百円で買えてしまうけど、そんな時代があったからこそあんもち雑煮が生まれたのかと思うと、涙がちょちょぎれますね。。

食べるときは毎度ありがたい気持ちになるのだけど、いま身の回りにあるものすべてがありがたいということを忘れてはならぬ、、と身が引き締まりました。わたしもあんもち雑煮みたいな、なにかをつくりたい。(え)

余談長くなってしまいましたが、食べにきてね、あんもち雑煮。

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●2018/1/14(日)@新宿LOFT
「新宿ロフト&若者のすべて presents おとそライブ2018」
アマリリス/稲見繭/上野大樹/otoe/佐藤リョウスケ/shellfish/tribe/tonetone/成田あより/ねこね、こねこね。/はやかわけい/Fancy Girl Cinema/レイラ
OPEN 13:15 /START 14:00
ADV ¥2300 /DOOR ¥2800 (D代別)

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