2018年3月16日(金)に京都のLive House nanoで開催される、【ライブハウスナノ14周年月間 第13夜 316NIGHT vol.3『ここからはじまりました』】開催に先立ち出演者のインタビューをお送りします。
第1弾の「深田和良」さん第2弾の「ジャスミンの香り」に続き、第3弾は「Moccobond」の皆様です。
「Moccobond」との出会いは2016年7月1日のnanoでした。バンドの情報を一切知らないままで見た「Moccobond」、現在の3人体制としての初ライブという運命的なタイミングでした。あの日から常に変化し続けてきた「Moccobond」の今を伺いました。
---まず基本的なことから伺いますが、「Moccobond」というバンドの成り立ちについてお願いします
サトウケイスケさん(Ba.Vo. 、以下サトウ): 結成自体は2011年頭ぐらいです。それぞれ大学の先輩後輩で、私がやっていた前身バンドにニシケケが入ってきて、そのバンドが終わった後にニシケケと新しいバンドを一緒にやることになり、気になる人に声をかけ松川ともう1人キーボードを含め4人で活動を開始しました。そこから何年か活動をしましたが、キーボードが脱退し3人となり今の形に至ります
---私が最初に見たライブが3人体制はじめてだったこともあり、以前の4人体制でのライブは見たことがありませんが、どのような雰囲気だったでしょうか
サトウ: 全体的に生っぽかったです。「わちゃわちゃ」したり「ゴンッ」とやるような生感に重きを置いていて、そこにエレクトロというエッセンスを加えた感じです。現在はそれが逆転し、エレクトロの方が前に出てきた状態ですね
---今の体制になってどのくらいでしょうか
サトウ: 2年目ですね、まだ、2年は経っていないです
ニシケケ夏ノコ(Gt.Vo.、以下ニシケケ): キーボードはいつ抜けたかな?
サトウ: 2016年6月、はじめて見てくれたライブが脱退して1週間後でしたね。あの頃は、脱退前の4人体制最後のレコ発イベントと、3人体制が同時進行で動いているという感じでした
---はじめて見たライブもエレクトロ要素は強かったのですが、さらに強くなってきている気がします
サトウ: そうですね、どちらかというとその部分に絞っています。機材的には毎回グレードアップしていて、全員手探りの状態で始めあの音が欲しいという感じでさらに買い足していましたね
---そして、2017年はUSBシングルを連続リリースしました
松川もも子(Dr.Cho.、以下松川): 3月からはじめて(SHEPHERD DARAKE)、6月リリース(KUJAKU FRIENDS)、9月リリース(NAMAKEMONO IN NEW YORK)、12月ファイナル(Hey!RIDE ON THE PEACH)でした
---毎回ライブに行くたびにUSBを物販で渡し音源を追加してもらう、そんな経験は初めてでした
ニシケケ: キーボードが抜けたことで、1年間は新しい形を見いだすまでに時間がかかると思っていました。ファイナルまでに自分たちのスタイルを完成させる目標だったので、見てもらう人にも一緒に楽しんでもらうために、会場限定に特化したことで何か面白いことをやろうという話からUSBシングルをリリースすることにしました。盤(CD)を出すのはお金がかかりますからね
松川: 曲を作ってレコーディングしてプレスしてとなると時間がかかります。でも、「メンバーが脱退しても歩みを止めない、ガンガン曲を作ってリリースする」そんなコンセプトから、曲を作りレコーディングしそのデータをUSBで買ってもらう流れになりました
サトウ: 元々4人の時から構想はありまして、ミスチルがやっているのを見て、ミスチルみたいなバンドがやっているのだから、若手の自分たちがやらなくてどうする。ちょうど3人になったタイミングでいろいろ調べてみると実際にできそうだとわかり、2017年にチャレンジしました
---新しい形を見いだすべくUSBシングルのリリースを続けた2017年を経て、どのようなバンドになったと言えるでしょうか
サトウ: 形容するとすれば【ニュー・ウェーヴ・エレクトロ】ですね
---【ニュー・ウェーヴ・エレクトロ】、確かに単にエレクトロというとちょっと違う、テクノやデジタルロックというジャンルとももちろん違う、「Moccobond」独自の音楽を目指している感じですね
サトウ: そうですね、そのことをハッキリさせたくて自分たちでニューウェイヴと名乗っている感じです
ニシケケ: 自分たちに適切な音楽ジャンルをつけたいと思っていますが、なかなか思いつかなくて。思いついたらぜひ教えてもらいたいです
---まさに【ニュー・ウェーヴ・エレクトロ】が今の感覚として、適切に表していると思います。ちなみに、【ニュー・ウェーヴ・エレクトロ】として完成している状態ですか
ニシケケ: まだ、完成はしていないですね。目指している音楽に完成はないと常々考えていますが目標はあり、同期を用いている部分を全て人力でやることを目指しています
サトウ: 全部生でできるのが理想です。現状でできてはいないですが、やりたいと考えています
---エレクトロであっても全てその場で音を作るということですね、今のMoccobondのサウンドとしてはなかなかハードルが高いと思いますが、ライブとしての見応えもさらに増しますのでぜひチャレンジしていただきたいです。そして、Moccobondのサウンドですが、昨年も常に変化し続けていました
サトウ: 自分たちも手探りでやっていました。それと供に、3ヶ月毎に3曲公開できるものを作り続けるという自分たちに課したノルマもありましたから。作り続けながらもどんどん変わっていきましたね、4人の時の匂いをどんどん排除していく方向で
---4人体制の頃の曲はやっていないですか?
サトウ: リアレンジして別物になった曲としてやっています。USBシングルに入っている3曲中の1曲は、以前作った曲のセルフカバーです。もう、完全に別の曲になっていますが
---話は変わりますが今回出演頂くnanoには、どのくらい出演されていますか?
サトウ: 京都の中では多いですね、nanoかGROWLYかという感じで、何かあるたびに呼んでもらえます
ニシケケ: 3・4ヶ月に1回くらいかな
松川: 年に3・4回は出てますね
サトウ: 3人体制になってからも、3回出てます
---想像以上にたくさん出演されていますね。その中でも、記憶に残っているライブはありますか
サトウ: nanoに始めて出演した日の事をしっかりと覚えています。実際にやるまでどのような音になるのか全くイメージが湧かなかったのですが、実際にやってみたら音がイイしとてもやりやすい、すぐに気に入ったことを覚えていますね
---私の中では、はじめて見た2016年7月1日のライブの印象がとても強いです
サトウ: CHAIが一緒だったときですね
---あの日はCHAI目当てで行ったのですが、機材が盛りだくさんで気になって、結果的にサトウ君の目の前のとても近い距離で見ることに。なんだか近すぎで緊張感があったのですが、アクトがはじまったら一気に引きこまれて、結果的にあの日最も印象に残るライブでした

---そして、あの日から進化を続けています
サトウ: まだ、動いてますね。昨年の12月のUSBファイナルである程度は固まったかなという感じですが
---昨年の後半くらいから、やはりMoccobondはライブバンドなんだなと実感しました。ライブでの音に満たされる感、包み込まれる感は本当に凄いです
サトウ: ホントですか、ああ、自分たちのライブを自分自身で見てみたい
---いや、ホントに見てもらいたいです。特に照明がしっかりしているライブハウスだと、凄いでしょうね
松川: 昨年12月にはじめて出演した下北沢GARAGEの照明がとてもよかったです。直前の指定にもかかわらずしっかりと合わせて頂いて、演奏に照明が合わさるとよりライブの良さを引き立ててくれます
---音と光に満たされ、トリップしてしまう感覚を覚えます
---それでは、今年の目標について教えてください
サトウ: 去年は自分たちができる事を続けていましたが、一緒にやれるバンド仲間が欲しいですね
---関西にはいますか?
ニシケケ: 関西にはいないですね
---東京にいるかといわれると、よくわからないです。なんとなく京都にいそうな感じはしますが
ニシケケ: 目上の方だったらいますけどね、「スチャダラパー」「サカナクション」「クラムボン」など。でも、同世代でバンドというとなかなか見つからなくて
サトウ: それも、自分たちの課題です。以前の体制ではそんなことを考えなかったのですが、今の体制になってからは自分たちのことに集中していたので、外に対する意識を持つことができなかった。今年は自分たちから探していきたいです
---相手がいる話なので、なかなか難しい話です
サトウ: 自分たちでもまだよくわからなくて、エレクトロである必要はなくて、ジャンル的になにかがいいという訳ではなく、自分たちにはまる音楽ならいいと考えています
ニシケケ: 出会うために、自分たちが頑張って発信していかないといけないですね
---最後に3月16日のnanoの話になりますが、対バンで気になるバンドはいますか?
松川: 「ジャスミンの香り」が非常に気になります。MCが不穏だという部分は、少し親近感を覚えます
---MoccobondのMCの不穏さとは、また違いますけどね。MCでニシケケさんが「ねぇ、サトウ君」って来た瞬間にフロアに緊張感が走ります
サトウ: あれは僕が一番身構えてますよ
---返しがとてもいい感じです、あのまま曲に入るところとか、、、。あ、「ジャスミンの香り」のことですね。あのMCを含めた設定的な部分をどう見るかは、大きく評価の分かれるポイントです。まあ、高貴な人たちですからね、バンドではなくおバンドですからね、大衆音楽をやっているとか
松川: (笑)そういう設定があるところが、とてもうらやましいです。高貴な方々が我々にあわせて大衆音楽をやっているとか
サトウ: ええな、コンセプトがハッキリしてて
---設定はともかく、ボーカルの声がとても素晴らしくて、シンプルなサウンドに映えます
松川: 音源は聞きました
---音源というと「FLAVOR OF JASMINE」ですかね、、、あ、あの曲以外にもいろいろな曲がありますので!
サトウ: その分、楽しみですね
松川: はは、楽しみです。おバンドのおライブを拝聴させて頂きたいです
サトウ: あと、カトキットも何回か対バンしていますが、なかなか深く話すきっかけがなくて
松川: 前回はあっけさんが体調不良で、お話しできなかったです
---そういえば名古屋で対バンがありましたね、あの日は私も行きました。ぜひ、3月16日はカトキットともいろいろ話をしてください。ありがとうございました
2016年のnanoでも衝撃的でしたが、昨年1年間の進化でより気になる存在となった「Moccobond」。出会ったnanoでどのようなアクトを見せてくれるのか、期待は高まるばかりです。
最後にインタビューの中でも、音楽がある程度固まったと話してくれた昨年12月にPangeaで行われたライブの映像を紹介します。まさに、今の「Moccobond」を感じられるライブ映像です。
ライブハウスナノ14周年月間 第13夜
316NIGHT vol.3
『ここからはじまりました』
2018年3月16日(金)
京都 Live House nano
前売り 2000円/当日 2500円
OPEN 18:00/START 18:30
☆タイムテーブル
[出演]
カトキット
Moccobond
ジャスミンの香り
opening Summer Tune for you: 深田和良(モルグモルマルモ)
チケット予約: 各バンド予約、316予約