2018年11月16日(金)に京都・木屋町DEWEYにて開催される316NIGHT vol.5『お京阪ナイト IN 木屋町 DAY1』。この日出演するあっけ(カトキット)さんと、会場となるDEWEYの店長・牧野大志さんのお二人に対談していただきました。お二人の出会いから、あっけさんが弾き語りを始める経緯などをお伺いしました。
---あっけちゃんにとってホームとなるライブハウスと言えば、ここ『DEWEY』です。というわけで、今回は出演者ではなく店長の牧野さんと対談していただくことになりました。早速ですがお二人の出会いから教えてください
あっけさん(以下、あっけ): 高2ですかね?
牧野大志さん(以下、牧野): 高2やと思う、今何歳になった?
あっけ: 27です、だからちょうど10年前くらいですね
牧野: その頃に、「こっぺぱんバイオレンスです、出たいんです」って
あっけ: こっぺぱんの初めてのライブハウスでしたね
牧野: 田中(カトキットのベーシスト)はいなくて、ベースはショウマか
あっけ: ショウマって奴がやってました。今でもDEWEYにソロで出てますよね
牧野: 出てる出てる。あいつはいつになったら上手くなるんやと、ものすごい置いてけぼりを食らっている
あっけ: 一生無理
---ちょ、これ書いていいんですか。で、イベントに出たいと言ってきたわけですね
あっけ: なんで、そういう話になったんやろ
牧野: 確かね、コバヤン(カトキットのドラマー)が同級生と組んでいる他のバンドで出演してくれて、その時に「実はもう一つやっているバンドがあって」って紹介してくれた気がする。バンド名は?って聞いたら、「こっぺぱんバイオレンスです」って。え、もう一回言ってくれるかな、おっちゃん聞き間違えたのかなって(笑)
あっけ: はい、「こっぺぱんバイオレンス」です。とりあえず、ライブハウスが初めてだったので、右も左もわからない状態でしたね。それまでは学校の中でコピバンみたいなことをやっていましたが、コバヤンに誘われてライブハウスに出ようやって言われて
牧野: あの時あっけ、眼鏡かけてたな。入りの時にセーラー服で来て
あっけ: セーラー服じゃないけど、制服ですね
牧野: 制服で来たけどステージに出るときには着替えちゃって、「おいさっきの方がええやんけ」ってみんなに言われる
あっけ: それで終わってから着替えたら、「なんでそれで出えへんかった」と言われるという。無理無理って思いますよ、あの頃は自分の価値がよくわかってなかったから
牧野: わっはっはっはー(大爆笑)
---価値がって、、、まさに今の歌詞にそれが出ていますね
牧野: なんやかんやで出てもらってて、「The Flickers」とか来た時に、じゃああなたたち出てって
---え、「The Flickers」と対バンしている!?
あっけ: やってます、「The Flickers」とやった時はもう相手が強すぎて、カウンターの下のところでずーっとうずくまってた気がする
牧野: そう、そこが俺から見て死角だったから、あっけどこいったんやろうって思ってた
あっけ: そこからずーっと見てて、えー、もー、いやーー、ってなってましたね
---そんなブッキングを組まれていたと言うことは、当時から期待していたわけですね
牧野: そうですね、期待していましたね。せっかく若いうちからやっているわけだし、ちゃんと面倒を見てあげた方がいいなと
あっけ: 今考えたら、とてもいい人たちとやらせてもらえてますね
---ちなみに当時のバンド名の「こっぺぱんバイオレンス」の語源を教えてもらえますか
あっけ: ちゃんとした理由があります。破裂音を使ったバンド名は口にしたくなると言われていますが、「BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)」を参考にした結果、「こっぺぱんバイオレンス」に(笑)
---いやいやいやいや、おかしいでしょ!
あっけ: 本当に、BUMP OF CHICKENみたいなバンド名をつけようってなって、その結果が「こっぺぱんバイオレンス」でしたね
---いやー、100歩ゆずってバイオレンスはありですけど、こっぺぱんって
あっけ: こっぺぱんって何だったんですかね、当時はこっぺぱんを推していたので紙粘土でこっぺぱんの置物とか作って物販に置いてました、めっちゃ重い奴とか。たぶん、雰囲気はこっぺぱんっぽい感じでした。バイオレンスも併せ持っていたという
牧野: 当時は学生だったし、こっぺぱんは学校の給食とかで出てくるから、俺の中では校内暴力的なことを言っているのかとずっと思ってた
あっけ: 校内暴力的な、なるほど
牧野: そういうことなんかなと思っていたけど、関係なかったか
あっけ: BUMP OF CHICKENを目指した結果、でしたね
---このあたりは、以前牧野さんがいらっしゃったAFTER BEAT時代の話ですが、DEWEYにもこっぺぱんバイオレンスは出ていますよね
牧野: 出てますね
あっけ: でも、できて割とすぐに解散しましたよね
牧野: そうそう、月1くらいでやっていて、なんだか悩んでいるなぁと思っていたら、ある日メンバー4人できて、この日で解散するからどこかに入れてくださいって言ってきたけど、あかんワンマンせい!って言って、無理くりワンマンさせたんや
あっけ: あー、そうでしたね
牧野: DEWEYでワンマンしたことがあるバンドが3バンドくらいしかなくて、一番最初は「THEロック大臣ズ」だったよね。そんな段階でこっぺぱんは解散ワンマンをしている、そのフライヤーはまだトイレに貼ってありますよ。あと、その時のライブの写真も楽屋に貼ってありますよ
---それで、すぐにカトキットになってまたDEWEYでライブをはじめた感じでしょうか
あっけ: いや、こっぺぱんが解散して1年くらいはやってなくて、その間にずっと一人で出ろと言われて
牧野: バンドのボーカルを無理矢理ソロで歌わせる企画をやっていて
あっけ: メンバーいらずというイベントですね
牧野: 元々1日4、5組、初めてソロでやる奴が出る企画で、あっけにやりなさいよって言って
あっけ: 最初はめっちゃ嫌がってました
牧野: こっちからしたら、嫌がってるのが面白いわけですからね
あっけ: あははははー(笑)
---それまではバンドとしてしかやってなかったのですね
あっけ: やってなかったですね。突然、「おまえギター弾けるし歌えやん、出ろ」って
牧野: 全員やったことのない人を集めるという
---ちょっと今のあっけちゃんからでは考えられないですよね。ギター一本でライブハウスに来て、全員切り倒していく感じなのに
牧野: 最初はめちゃめちゃ嫌がっていたと思いますよ
あっけ: 嫌でした。あたしステージに立つのが嫌だ、そんなテンションの時期だったので
---それで、1年くらいはバンドとして活動していなかったのですね
牧野: え、こっぺぱんの終わりからカトキットって、そんなに開いてる?
あっけ: 11月解散でしたっけ?
牧野: (解散ライブのフライヤーが貼ってあるトイレに走り出す)11月7日解散って書いてある
あっけ: で、カトキットの初ライブが4月なので、、、あ、半年ですね
牧野: しかも、4月に初ライブをやるまでにこのメンバーでやるんですって話もあったから、意外と俺の中では早く動いたなと思っていた
あっけ: ちゃんとデモも用意して、しかも初ライブもDEWEYで企画させてもらいましたし
---やはり、付き合いが長いだけではなく、思っていた以上に深い関係ですね
---続いて、DEWEYについて。ちょうどいま周年の期間ですが何周年でしょうか
牧野: 7周年になります
---あっけちゃんはDEWEYができてから見続けていると思いますが、ずばりどのようなライブハウスでしょうか
あっけ: マイペースなライブハウスですね。己の好きなものはスキ、嫌いなものはキライでやっていはるイメージです
牧野: 迎合しないように、していますね
あっけ: 面白いと思ったことはやる、おもんないと思ったらやらない、みたいなイメージ
牧野: みんなそうではないんですか? と、私は言いたい!
---京都のライブハウスははっきりしていますよね、店長さんやオーナーさんの考え方が。それにしても7年間、ライブハウスを続けるというのは大変ですよね
牧野: 大変ですよ、やらない方がいいと思います(笑)
あっけ: 書いといてください(笑)
牧野: これを読んでいる方々、本当にやらない方がいいと思います
---ライブハウスをやろうとしている人はそこまでいないと思いますが、本当に大変なお仕事です
あっけ: なんだっけ、DEWEYの話、、、ステージの床がはげるたびに、牧野さんがコロコロペンキを塗ってる
牧野: 周年のたびに塗ってたけど、今年は面倒くさくなって塗ってない(笑)
あっけ: あと、ステージのDEWEYのロゴが書いてあるパネル、下の方が白くなっているは、「メシアと人人」のきっさんがギターを投げて穴が開いたから
---え、どういうことですか?
牧野: あれ、当たり前のように白くなってますけど、最初はなかったんですよ。あっこね、きっさんがギターを投げたんです、「ビキッ!!」って。穴が開いて、作った業者さんに聞いたら友達価格でも8万円かかるって言われて、それであの白い奴を買ってきて貼ってみたら、あ、これだったらちょうどいいかもって。もう、そこに投げなくていいのに、、、
あっけ: 確かに、きっさんはいつもギターを投げる
---そうだったのですね。ちなみに、思い出のライブとかありますかね
牧野: こっぺぱん解散のライブがめちゃめちゃ記憶にあるけどね、カトキットの初めてのワンマンもそうですね
---2016年1月23日ですね、私も行ってます。恐ろしいくらい酔っ払っててあんまり覚えてないですが。でも、クアイフとの2マンの方がもっと酔っ払ってましたね、何しに来てるんだ京都に
牧野: もー、あのクワイフとの2マン、クアイフのライブ中に電源が落ちまくったやろ。あれ、未だに原因がわからなくて、いつかリベンジしてねって言ってたんだけど、その途端メジャーデビューしちゃって
---これはもう、カトキットが同じステージに上がって、クアイフを再び呼ぶしかないですね
牧野: 対等になってな
あっけ: そうですね
牧野: そうだ、パープルサンガ(京都サンガF.C)のオフィシャルテーマソングを作りなさいよ
※名古屋出身のクアイフは2016年から、名古屋グランパスのテーマソングを担当しています
---テーマソングですか、カトキットが、、、
あっけ: 全然やれますよ
牧野: 練習帰りのとぼとぼ歩いてる感じの、全然アッパーじゃない感じ
あっけ: 泣きのエンディング的な
牧野: 西京極から負けて帰るときの歌みたいな。阪急でとりあえず河原町まで来たし、一杯飲んで帰るか的な
じゃっくさん(イヌガヨGt.Vo.): おはようございまーす
牧野: あー、じゃっくくん、おはよう! そうだ、じゃっくくん一緒に写真撮ろうよ
---大阪城野外音楽堂でワンマン開催! うわー、頑張ってください!! ということで、なんでしたっけ、DEWEYで印象深いライブの話でしたが、カトキットはコンスタントに出演していましたか?
牧野: 途中からあまり呼ばないようにしてました。うちにばっかり出てもらってもなと思って、最近は半年に1回くらいは出てくれるけど、そのくらいのペースがちょうどいいなと思ってます
あっけ: ソロは問答無用で出させられていますが、月1あっけらしいです。常連の人はDEWEYで見るソロが一番いいと言ってますね
牧野: ほらー、そこちゃんと書いておいてくださいよ
---続いて、お伺いしたいのがカトキットとあっけソロの違いについて
牧野: カトキットは同期に合わせるという縛りがあるけど、弾き語りは一人でギターと歌とリズムがぶれていても成立するもので、ぶれる方が面白かったりする。めっちゃテンポがある曲でもわざわざ弾き語りにして、テンポ通りに行かなくするのも面白いよね
---確かにカトキットではそのあたりの自由度は低くなりますよね。ソロの魅力としてはどうですか
牧野: あっけの弱点でもあり強みでもありますが、どんな日本語でもメロディーにのっけられちゃうんですよ。そういう強みがある分、聞く側としては何を歌っているのかわからないというのが初期のソロには出ていた。回数を重ねるにつれだんだんその部分がなくなり、複雑な乗せ方をしていても日本語として伝えることができるようになってきた。歌詞の付け方がある時から変わったイメージがある、聞いたときに日本語としてすっと入るような付け方、複雑なことをしていても入ってくるようになった。5・6年くらい俺以外からも言われ続けていたと思うけど、それが解消された瞬間から魅力になった。そもそも、ソロの方が歌詞の内容がストレートに入ってきますからね
あっけ: ソロは最初いやいやでスタートしたけど、評価をしてもらえるから楽しいと思うようになりました。そこから月1回で、こっちがやりたいやりたくないとかそんなのは関係なくとりあえず出ることになって、それを続けていたらあるラインを超えたなという瞬間がありました。まあ、今でもダメなときもあるけど、牧野さんにはずっと見てもらっていて毎回感想を聞いて。あと、月1回あるから、次のチャンスがあるというのはありがたいです
牧野: あっけはライブが終わった後に、ちゃんとそういう話を聞いてくるのが偉いなと。俺だったら絶対にそういう話はしないけど、こうだったああだったという確認作業を必ずするから偉いよね。酔っ払って、お疲れ様でした!って、帰ればいいのに
---真面目なんですよね
牧野: 真面目なんだと思います
あっけ: そうですね、たぶん真面目なんです
牧野: 月1回の弾き語りでも、ちゃんと練習してきてますからね。意外と努力してる
---さて、11月16日の話です、ラインナップについて、ippuku・Transit My Youth・Oh No Darkness!!・pontという組み合わせですが
牧野: pontは知らない
あっけ: 全バンド知らないです、、、
牧野: でも、他もYouTubeくらいでしか知らないです、pontに至ってはYouTubeもなかった
---YouTubeないですからね、eo Music Tryにエントリーしているのでそこで音源は聞けます。立命館大学の現役の学生さんですが、そもそも京都でライブやってないそうです
あっけ: 全く知らない
牧野: いいんじゃないですか
---みんな、この【あっけ(カトキット)】という名前を見て「うっ」ってなってます
あっけ: それはどうでしてですか?
牧野: 怖いんじゃないの?
---未知の存在だからですかね。バンドは知っているけど、ソロは見たことないとか。というか、他は全てバンドなのに、一人だけソロですからね
あっけ: 並びとしておかしいですよ
---これは私としては完全に狙ってますから、むちゃくちゃなことを言いますが一人で全員倒してください。それでは最後に牧野さん、改めてあっけソロの魅力を一言でお願いします
牧野: 重さ!
---重さ?
牧野: 重いですよ、歌も重いですね
あっけ: じゃあ、誰にも負けない重さで勝負します。いやそんな、重くないですよ(笑)
---重さが魅力の一つと言うことで期待してます! ありがとうございました
2018年11月16日(金)
316NIGHT vol.5
『お京阪ナイト in 木屋町』
LIVE HOUSE DEWEY
ADV 2000円(+1D)/DOOR 2500円(+1D)/学割:大学・専門学校生以下1000円(+1D) *学生証提示
OPEN 18:00/START 18:30
[出演]
・ippuku
・Transit My Youth
・Oh No Darkness!!
・あっけ(カトキット)
・pont
◎タイムテーブル
※出演バンドのツイッターリスト
★翌日の11月17日は同じくDEWEYで316NIGHT vol.6『お京阪ナイト in 木屋町 DAY2』、出演は「スーパーバック」「Gue」「イトカムトビコ」「tip top nap」「YURERU PINK TOPAZ」の5組です、こちらも要チェック!