2017年11月24日(金)に下北沢・BASEMENT BARで開催される316NIGHT vol.2『お京阪ナイト』。お京阪ナイトと題していることもあり、京都・大阪の3バンドを迎え開催されるこのイベント。イベント開催に先立ち、出演バンドのインタビューをお送りします。
「モルグモルマルモ」「ヒミツノミヤコ」「河内REDS」に続き紹介するのは、唯一東京のバンドとして出演、Wellcome Actを担当する「宇宙団」です。宇宙団との出会いは2015年12月のBASEMENT BAR、全く予備知識なしに見た彼女たちのステージは、一言では言い表すことができない不思議なモノでした。そして、今年1月に1st フルアルバム「星眠る島」をリリース、さらに来年1月に2nd フルアムバム「それなりのつよがり」をリリースすることも発表され、勢いに乗る宇宙団からGt.&Vo.望月シホさん、Ba.アキカワノさん、Dr.ツチダつちさんのインタビューをお送りします。
---11月24日の316NIGHT vol.2『お京阪ナイト』、タイトルの通りお京阪のバンドを迎えて開催される中、唯一の東京のバンドです。ずばり、意気込みをお願いします
望月シホ(Gt.&Vo. 以下、望月): 私たちはトップバッターですが、「後のバンドを全部食うくらいの勢いでやって」と言われたので、そのくらいの勢いでライブをします!
---今回京都と大阪から3バンドを迎えるにあたり、あまり関西では知られていないバンドで、さらに度肝を抜くことができるバンドと考え「宇宙団」にオファーをしました。3バンドの中で「ヒミツノミヤコ」とは10月に対バンされましたがどのような印象でしょうか?
望月: 最高ですよ!
アキカワノ(Ba. 以下、アキ): めっちゃ楽しかった
ツチダつち(Dr. 以下、ツチダ): 笑いの質が高すぎて
全員: また見たい!
ツチダ: すごいですよね、なんでそこまでできるんだろうって。普通に何時間でも見たいって思います
---ワンマンだと2時間やりますね
ツチダ: 絶対に楽しいじゃん、ホントに演劇みたいな感じですよね
望月: 曲もいいしなー
---ちなみに「河内REDS」は初めてですよね?
ツチダ: 河内REDS、楽しみです。めっちゃ、私は、タイプ(笑)
---え、タイプ? 誰が?
ツチダ: いや、バンドとして(笑)
---スミマセン、先走りました。「モルグモルマルモ」も初めてですよね
ツチダ: 深田さんとは仲がいいです、この前もお世話になりましたし
---10月3日の『歌え!ドラマー達!』でも一緒でしたね。そもそも関西のバンドと対バンすることがあまりないですよね
ツチダ: そうですね、関西のバンドはあまり接点はないですね
望月: 関西のバンドと接点がなさ過ぎて、名前も顔もわからない、、、。後で話を聞いて、関西のバンドだったって気付くくらい
ツチダ: え、そんなことはなくない? ハンブレとかナードとか
望月: あ、そうかナードマグネットは関西だ
---その2バンドは、東京もたくさん来てますからね。どちらも素晴らしいバンドなので、いつか対バンしてもらいたいです。それはそうと、先日2nd フルアムバム「それなりのつよがり」のリリースが発表されました。サウンドプロデュースを東京カランコロンのいちろーさんが担当されたとのことですが、どのような経緯で担当されることになったのでしょうか?
望月: 1stフルアルバム「星眠る島」をリリースするときに111人にコメントをもらうという企画をやって、ダメ元でいちろーさんにおねがいしたところ、コメントをいただくことができました
ツチダ: ツイッターのプロフィールの所にメールアドレスが書かれていてそちら宛てに音源を送ったら、ものすごく丁寧にお返事してくださって
望月: 丁寧に曲に対する感想をいただいて、それがきっかけでプロデュースもお願いすることになりました
アキ: あの時は、メンバーのLINEが盛り上がったね(笑)
---まさかの、直接お願いをしていたのですね。ちなみに、いちろーさんには具体的にはどのような形で関わってもらったのでしょうか
望月: 全体のディレクション、と言いつつ全曲のレコーディングに立ち会ってもらい、ミックスにも立ち会ってもらいました。1曲目の「ヘルプ!」と4曲目の「ラブリーチューンXX」はスタジオにも入ってもらいました
ツチダ: プリプロやったり、サウンドディレクションという感じで
望月: その2曲については、構成も一緒に考えていただきました
ツチダ: あと、ボーカルはしっかりみていただき、何テイクも録りました。楽曲や楽器の音に個性があるから、歌まで全面的に個性が出すぎると聞きづらいかな、ということでボーカルは聞きやすくそれであって特徴的に、と
望月: 特にボーカルについて、しっかりとみてもらいましたね
---前回に引き続きフルアルバムのリリースですが、比較して大変だった部分はありますか?
望月: 元々、シングルの話だったのですが、そこからミニアルバムになって、レコーディング1カ月前にフルアルバムを出すことに。学生生活最後の8月はメンバー以外、人と2回しか会ってなくて、、、フルアルバムの8曲の制作は予想以上に大変でした。今回はほぼ新曲なので大変でしたが、時間を費やしただけのことはあっていい曲ができました。
前回のアルバムは再録だったり、高校時代からやっていた曲もありましたが、今回のアルバムは6曲が今年書いたものです。これまで音楽をやってきた中で、最もつらかったですね。特に1曲目の「ヘルプ!」については3カ月くらい時間がかかったこともあって、今までで一番自分と向き合わなきゃいけなかった。しんどい日々を送っていました
ツチダ: 誰かに意見をもらいながら作るというのが、はじめてだったこともあるよね
望月: 曲自体のメロが浮かばない、歌詞が浮かばない、そんな生活を1カ月くらい過ごしていて、本当に頭がおかしくなるんじゃないかと。これまでにしたことのない体験でしたね
---ちなみに、そんな状況を見ていてお二人はどうでしたか?
ツチダ: 「頑張れー」って(笑)。私は曲を書かないから、曲を書く人の気持ちを理解してあげられない
望月: メンバーにしんどいって言い続けるのはダサいから、3割くらいしか言ってないですね
アキ: あまり、弱音を聞いたことはないね。むしろ、練習の時とかリズム隊2人が無表情なのに、望月はニコニコしてるとか
ツチダ: そんな強がる中で生まれたのが、リード曲の「ヘルプ!」なんだよね
望月: ひとつの曲の歌詞で3カ月間かかる事なんてこれまでになくて、レコーディング当日まで歌詞が決まらなくて、、、。誰にも言えないつらさというのが、このアルバムの中で通したテーマ。その時の追い込まれている感じがすごく見える歌詞で、永遠に完成しないんじゃないかって。そんな時にできた曲なので、本当にみんなに聞いてもらいたいです
---そこまで追い込まれていたとは、全く気付いていませんでした
望月: 今までは、空想家で抽象的な語感とかを意識するのが自分のスタイルだと思っていたので、そのことばかり意識していました。でも、今回いちろーさんと一緒にやらせてもらうことになって、視点をかえて少しでも共感してもらえるような歌詞とアレンジをしました
---そんな苦労の末に完成した「それなりのつよがり」ですが、リリースライブの出演者に驚きました。FINLANDSはこれまでに対バンありましたか?
ツチダ: 対バンをしたことはなかったのですが、以前私がフライヤーを配っていたら隣でFINLANDSさんがフライヤーを配りはじめて、その時に声をかけて以来ですね。望月も仲良くなったよね
望月: ライブ行かせてもらったりLINEしたり、カッコいいですよね
---羊文学は対バンされてますよね?
ツチダ: 3回くらい対バンしていますね
---そして、いちろーさんとせんせいのお2人です。2人だけの組み合わせはよくやっているのでしょうか?
ツチダ: インストアライブとかで、よくやってるみたいです
---このチケットの手売りが今日(11/20)から開始ですね。24日も物販で売ってますよね
望月: はい、販売します!
---そして、いまさらですがメンバーの皆さんの話についてお伺いします。皆さん現役大学生ですが、それぞれ大学が違いますよね、どこで知り合ったのですか?
望月: 私とユウコはもともと幼なじみです、ツチダとはライブハウスで出会って、アキちゃんとツチダは同じサークルです
---あれ? カワノさんとツチダさんも大学は違いますよね?
アキ:私はいろいろなサークルを入っては辞めを繰り返していて、最初は自分の大学のサークルに入っていたのですが、本当にやりたい音楽はどこにできるのだろうと渡り歩いている中で出会いました。そのサークルもほとんど行ってなかったのですが、ちょうど宇宙団のベースが辞めるという話をしていた時にそのサークル内で一緒にやることがあって、その流れで宇宙団のメンバーになることになりました
---ちなみに、カワノさんは今回のアルバムについて苦労した点などありましたか?
アキ: レコーディング期間は凄く練習しました。ポップスとかR&Bとかいろいろな音楽を聴いて、どうやったら盛り上げられるかとか、空気を読んでここは出過ぎないとか、ラスサビはフレーズを変えて浮遊感を出すとか、いろいろ考えましたね
望月: アキちゃんのベース最高だった
アキ: ありがとう!
---演奏全般に言えますが、前のアルバムに比べてレベルアップしています。ちなみに、今日のインタビューは都合がつきませんでしたが、Key.のユウコさんはどうでしたか?
望月: ユウコは、、、あんまわかんないな(笑)
アキ: 安定感があった
ツチダ: 確かに、あったね
望月: でも、仕事は早いですよ。私が曲作りで悩んでいた結果、みんなも短期決戦になってしまいましたが、ユウコは譜読みと音作りが凄く早いので、やることを的確にこなしてくれましたね
ツチダ: 職人みたいだったよね、スタジオでさらーっといい音を作ってくれる
---確かに職人っぽさがありますよね、確か音大ですよね?
望月: 大学だけでなく、高校も音大の付属ですね
ツチダ: 音大でやっていることと、バンドのキーボードは全然違うのにすごいと思う
---大学が皆さん違うのも珍しいですが、幼なじみでバンド組んでるというのもあまり聞いたことがないです
望月: 元々親同士が仲がよくて、保育園に入る前に一緒に遊んでいたらしいです。中学で部活と生徒会で一緒になって、親に話したら小さい頃も仲が良かったと教えてもらって、、、お互いに覚えてなかったですけどね。アルバムを見たら2人でプールに入ってる写真とかありましたけど。
私も元々ピアノ経験があり、別の子とバンドをやっていましたがなかなか上手くいかなくて。その頃から曲はたくさん作っていてそれをユウコに聞いてもらって、中学から8年間くらい2人で一緒にやってますね。
ユウコとは一番けんかしていますよ、アレンジに関してはお互いに対極にいるので、絶対にこうやった方がいいとか言い合いですね
---それを、お2人はどのように見ているのですか?
ツチダ: 私たちの前ではやらないよね
アキ: 2人で帰っているときにやってる
ツチダ: 2人は家も近いから
望月: 同じ中学ですからね、隣駅ですから。ずーっと一緒なんですよ
ツチダ: 曲が良くなるなら、なんでもいい(笑)
アキ: ベースのことしか考えてなーい(笑)
---そういえば、カワノさんは2本のベースを使い分けてますが、どのように使い分けていますか?
アキ: いや、気分です。どちらのベースでも、全ての曲もできるようにしておきたくて。どちらにも良さがあって、最近よく使っているのはフェンダーの5弦の方で、ゴリゴリしているイメージがありますが優しい音が出るというか、深みのある音が出るので、高音のフレーズが奇麗に出せます。前使っていた4弦の方は、すごく明るい音で、深みよりはパキッとしている感じです。宇宙団の曲はどっちを使ってもはまりますね。この曲はこっちのベースじゃなければいけない、というわけではないですね
---一足先に「それなりのつよがり」を聞かせていただきましたが、なんとなく時代にはまりそうな気がするような、しないような、、、
望月: いやー、時代には、はまらないでしょう。一般的なブームにはまる部類ではないです、確実にはやっている音楽ではないですね。おしゃれな音楽ができるかといわれたらできないですし、おしゃれな音楽を私たちがやることもできるでしょうけど、そこはもっと上手い人たちがいて勝ち目がない。はまろうがはまらまいが、こういう方向でやるしかないと腹をくくるしかないです
---11月24日に同じく出演する河内REDSのサクラマサチカさんも同じようなことをインタビューで話していました
望月: 他の人たちに合わせてもしょうがないですからね、そこは貫くしかないですね
---ありがとうございました、アルバムについてはまたあらためてお伺いしますね。そして、11月24日のライブをよろしくお願いします。お京阪の3バンドをウエルカムしつつ、衝撃を与えてください! 期待していますね!
もはや、完全に11月24日のことよりも、発表されたばかりの2ndフルアルバム「それなりのつよがり」にまつわる話が中心になっていたインタビュー。
あまり悩んでいる姿を見たことがなかった望月さんが全てを出し切ったフルアルバム、今からリリースが楽しみです。最後に、宇宙団『恋は宇宙』のMusic Videoを掲載しておきますので、ぜひチェックしてくださいね。
316NIGHT vol.2
『お京阪ナイト』
2017年11月24日(金)
下北沢 BASEMENT BAR
[出演]
モルグモルマルモ(京都)
ヒミツノミヤコ(大阪)
河内REDS(大阪)
Wellcome Act:宇宙団(東京)
チケット: 前売り 2500円(+1D)/当日 3000円(+1D)
時間: OPEN 18:30/START 19:00
チケット発売:手売りチケット、各バンド予約