316NIGHT vol.3 スペシャル対談『ニシケケ(Moccobond)』×『あっけ(カトキット)』【2】

316NIGHT vol.3 スペシャル対談『ニシケケ(Moccobond)』×『あっけ(カトキット)』【1】の続きです

ニシケケ: 私はあっけちゃんのこと興味津々で、外から見てて強い女性に見えるんですけど、その辺はどう思ってますか?

あっけ: (笑)強いんですかね? 学生時代とか一匹狼じゃなかったですか?

ニシケケ: めっちゃ冷めている部分があるから、団体の中でも「どうでもいいんちゃう」みたいな感じでしたね。考えていること自体は一匹狼の部分もあるかな。自分の意見を音楽以外で発信する方法がわからなくて、音楽が得意だと自分の中でも思っていたら得意なことだけで解決していって、年々友達が減っているような気がしています。友達が欲しいけど、SNSとかでつぶやくことはホンマに怖くて、できることならしたくなくて、でもしていかないといけない。その中で楽しみを見いだせればいいけど、、、楽しみながらできてますか?

あっけ: これ、難しいですねー。たぶん、音楽をやめたら全部消してやめると思うんですよ。バンドやめるのならツイッターもインスタもしーひんやろうな、ってめっちゃ思います。ツイートするときにこうやったら人が面白がるだろうなと考えるじゃないですか、そのフィルターを通してしか自分が思っていることを書かないですね

ニシケケ: 裸一貫で書き切ることみたいなのは無い?

あっけ: 無いっすね

ニシケケ: なるほど

Moccobond - 2018.2.11 HOME

---あっけちゃんに伺いたいのですが、ツイートする時はやはり狙って書いていますか?

あっけ: 狙ってますよ(笑)、そこまで深く考えてはいないけど

---そういう意味では好対照ですよね。ニシケケさんはnoteに長文を書かれていて、ツイートみたいな直感で伝えるのではなく、長文なので伝えたいことをしっかりと解釈してもらおうとしているところがあります

ニシケケ: あれは自分のために始めたみたいなようなものですけどね、なんというか世間とのつながりのためにも。毎日書かないと意味がない、継続して何かを発信することがいいと思ってはじめました。それで、「現代堕落論」という大々的なタイトルをつけてしまって、偉大な作家の坂口安吾さんの「堕落論」からなのですが、書いていたら私はホンマに坂口安吾を理解できているのだろうかと考えてしまって。まだ自分の思いが足りへんなと思った瞬間に、一旦考えなおそと思って途中で止めてしまったんです。坂口安吾が好きな人が読んで、自分が求めていたようなことじゃないがっかりだ、ってなったら申し訳なくて。後々責任とられへんなって。自分自身のことなら責任とれるけど、他人を巻き込んだことが未だにできない、、、ほんま生きづらいんですけど

あっけ: めちゃくちゃ真面目ですね

---とても真面目です、文章を書く立場として見習わなければ

ニシケケ: めちゃくちゃ真面目やから。あっけちゃんみたいな強い感じで、しかも読み手が喜ぶことを伝えられているのはうらやましい。私はホンマにそう思ったこと以外は発信できなくて、それがしんどい。今とかホンマは「鮪おいしい」とか思ってて、他にもメンバーにいたずらとかにもしているのに、それが日常にもかかわらずそういうことが書けなくて、哲学的な事とか仏教のこととか、日常的に毎日考えているわけじゃないことばかり書いてしまって

---ミュージシャンの方は言葉で何かを伝える事には常に真剣であって、内容とか伝え方は人それぞれですからね。本当は音楽だけで伝えられれば一番なんですよね、ただ、今の時代どうしてもそれ以外の面でも伝えることが必要とされていますからね

ニシケケ: 生きづらいですよね、わたしバイトとかホンマにしたくないですもん。なんか、あっけちゃんも書いてましたよね

あっけ: なんか書いてましたっけ? ああ、なんか書いてた気が

---見たことがあるわけではないのですが、バイトの時は心を消している感じがします

あっけ: 全然、本来の私じゃないですね。アパレル店員をやっているのですが、「めっちゃ似合いますー(棒読み)」とか。そもそもオシャレじゃないですしね、ファッションとか化粧に興味がないし。ホンマはそういうこともやらなきゃいけないじゃないですか、バンドマンとして表に出る立場として。そういう見た目の部分からも女のコの支持を集めなければ、とかできないんですよね。そんな時間があれば、本を読んで音楽を作っていたいじゃないですか

ニシケケ: わかるー。ちなみに、今はミュージシャンとして音楽で表現しているけど、絵を描いたり小説を書いたり、なにか作って表現したい欲望は大きいですか?

あっけ: なにかを作りたいというのは大きいですね、絵が描けるのなら絵でもよかったのかも。でも、言葉と音楽が好きだという点は変わらないでしょうね

ニシケケ: ほー、同じだ

あっけ: 意地なんですよね、もう。いいものを作れなかったら負けという、意地でしかない

ニシケケ: あっけちゃんが心動かされたことをちゃんと形に残して、「うわーっ」と心に刺してくるような言葉、強く生きようと感じられる言葉に、力をもらえるような感じがする

あっけ: そう、言ってもらえるとありがたいです

カトキット - 2018.1.11 LUSH

ニシケケ: いやー、話を聞いてるとさらにいろいろ聞きたくなってくる

あっけ: なんというか、ニシケケさんはベールに包まれてる感が強いです

ニシケケ: それは、コミュ障なだけ

---そういえば「スーパーイマジネーション」のMVは、実際になにかに包み込まれてますよね

ニシケケ: あれ、ゴミ袋かぶってるんですよ

あっけ: あのミュージックビデオはセンスがめちゃくちゃいい

ニシケケ: 作ってくれた監督が中高6年間の後輩で、めっちゃ才能人で私が芸術家として「負けた」と思うくらいで、年下でめっちゃ認めています。あいつのセンスはヤバい

あっけ: カトキットがミュージックビデオを作ることになったときに、HOOK UP Recordsの吉見さんに相談して寿司くんを紹介してもらったのですが、その時に見せてもらったMVが「Mellow..」だったんです

ニシケケ: あー、寿司くんに撮ってもらいました、なるほど

あっけ: それ見ていいなと思って、お願いして

ニシケケ: 原案はほぼ自分で書いていきましたよ

あっけ: 私たちも絵コンテもなく撮ってもらいました

ニシケケ: あの人は、そういう感じで撮りますよね

---え、絵コンテなしで撮ったのですか? 内容的にかなり大変な感じなのに

あっけ: そう、その場で「これやってください、これやってください」って言われて、「空からパーンと降ってきますから」って

↓ 空からいろいろパーンと降ってきてるMusic Video ↓

あっけ: いやー、エグかったですよ。再生回数は伸びましたけど

---実際、このMVを見て、カトキットのことを本格的に好きになりましたから、自分にとっても記憶に深いMVです。ちなみに、「神様のはからい」のMVは加藤マニさんに撮影してもらってますね

---寿司くんと加藤マニさんという2大MV監督に撮ってもらってるのはスゴいことです。そういえば、どちらのMVもスーパーボール使ってますね

316NIGHT vol.3 スペシャル対談『ニシケケ夏ノコ(Moccobond)』×『あっけ(カトキット)』【3】に続く

 

[3/16開催]ライブハウスナノ14周年月間 第13夜×316NIGHT vol.3『ここからはじまりました』ライブハウスナノ14周年月間 第13夜
316NIGHT vol.3
ここからはじまりました

2018年3月16日(金)
京都 Live House nano
前売り 2000円/当日 2500円
OPEN 18:00/START 18:30
タイムテーブル
[出演]
カトキット
Moccobond
ジャスミンの香り
opening Summer Tune for you: 深田和良(モルグモルマルモ)
チケット予約: 各バンド予約、316予約