2018年3月16日(金)に京都のLive House nanoで開催される、【ライブハウスナノ14周年月間 第13夜 316NIGHT vol.3『ここからはじまりました』】開催に先立ち出演者のインタビューをお送りします。
トップを飾るのは、当日も最初に登場する《opening Summer Tune for you》として出演いただく深田和良(モルグモルマルモ)さんです。深田さんは前回のvol.2ではバンドとして出演いただきましたが、今回はソロでの出演となります。
いきなり当日の意気込みから聞き始めるインタビューでしたが、序盤から話は脱線し始め、挙げ句の果てには全く予想だにしていない方向に突き進みます。インタビューというよりはもはや対談に近い内容ですが、当日のカオスが予感できる内容ですのでぜひご一読ください。
---3月16日にnanoで開催される316NIGHT vol.3について、いきなりですが意気込みをお願いします
深田和良さん(以下、深田): 意気込み、ありますよ
---nano店長のモグラさんからは「opening Summer Tune for you」というアクト名を命名頂きました
深田: 完全に役割を決められてしまいましたね
---ぜひ、ガンガンに暖めまくって頂き夏にしてください
深田: 何回かnanoでやっていて、そのイメージでしょうね。nanoでは、ONIGAWARAの時もやりました
---え、ONIGAWARAの時にやってるのですか!
深田: そして、いつどのタイミングで一曲だけのためにキーボードをセッティングしてくださいってモグラさんに言うか、ドキドキしています
---ということは、あの曲をやるのですね
深田: やりたいですね、自分のイベントの宣伝ですが
---トップからやりたい放題やってください、後のことは何も考えなくていいですので。今回はソロでの出演となりますが、バンドでの出演とはどのあたりが違いますか?
深田: ソロはその場にいるみんなが僕を見なければならないわけで、それが気分いいです
---モルグモルマルモでは曲を作ったり歌ったりはしませんよね。そして、ソロの時はモルグの曲は歌わずに、自分のオリジナルが中心です。そういう意味ではバンドとソロは全く別の存在ですね
深田: そうですね、ソロの場合ライブで何をやっても止める人はいないから、好き勝手やってますね。そういう意味ではストレスはないです
---ソロといえば、バンド編成の「ぼんやりゴリラシティ」の活動はいかがですか?
深田: ライブが決まりました、4月29日(日)に西院ネガポジで開催します。新体制初ライブですね
---新体制ですか?
深田: ドラムの西村中毒が抜けるので、僕がドラムボーカルになります
---そうなのですね、じゃあ、ドラムはセンターで?
深田: 面倒くさい感じになるでしょうね、申し訳ない気持ちで一杯ですが、後ろで歌う訳にもいかないので。取り置きしておきますね
---西院(京都)じゃないですか、下北沢から小田急線で行けるとかだったら行きますけど、小田原から新幹線に乗らないといけないじゃないですか、、、
深田: わかりました、じゃあ、4月29日はいいとして4月6日は確実に
---4月6日(金)はなにがありますか?
深田: 「歌え!ドラマー達! vol.7」が西院ネガポジで開催されます、10月の東京からやっと決まりました
【歌え!ドラマー達! vol.7 決定!】
前回の東京編から4ヶ月…やっとナイスメンバーが集まりました。初参加の人多数です!ドラマーだけのユニットもあります!楽しみや!あー楽しみや!大汗かきながらワタクシ、深田和良がイベントの司会担当いたします!もちろん、歌も歌うで! pic.twitter.com/jeDvFHKhor
— 深田和良 (@fukadance0815) 2018年2月1日
---かなり興味深いラインナップですが、「哀のスレイヴオブスレイヴス」というユニットが気になります
深田: 元々、SATORIのゆっこさんにオファーしていたのですが、「1人じゃなくて一緒にやってくれるのなら出る」とのことで一緒にやることになりました。ゴロウちゃんは、いいタイミングでその場にいたので誘いました。かなり闇を抱える2人ですよ、ドラマーというポジションに対する思いが通じるところがあって、バンドのドラマーってみんなこんな感じなんだなと、一致団結してやります
---このユニット、3人ともドラマーなんですよね
深田: できたら、ドラムは使わずにやりたいです
---なんというか、壮大に意味がわからないことをやっている感じです
深田: いつか世間に伝わる、そう信じてやっています
---今までとはちょっとラインナップが違っていて新鮮ですよね
深田: 新展開をやっと打ち出せたかなと
---初っぱなから3月16日のコトから逸れてます、しかも別のイベントの宣伝になってる
---それはそうと、あの日のnanoのことを覚えていますか、2015年3月16日という日のことを
深田: 覚えていますよ。nanoは常にテンションが高いライブハウスなのですが、あの日最も印象が残っているのは、とにかくマツコ(ex.ぽわん)が異様な目つきをしていたことですね
---マツコさんとはそれ以前から面識があったのですか?
深田: 全然知らなかったです、絶対に怖い人だと思ってた
---怖い人、、、確かに初めて観たときは一瞬躊躇しますよね。あの日のモルグモルマルモは、カトキットのライブを見た直後だったので、テンション的には上がりすぎていたのですが、モルグのライブが始まった瞬間から藤谷さんのボーカルとグッドミュージックに一気に引きこまれたことが印象深いです。まあ、その後のぽわんでまたテンション上がって暴れ回っちゃうわけですが。トップのシンガロンパレードはどっちかというと激しくて、百長はじっくり聞かせる、カトキットで再び激しくなって、聞かせるモルグ、そして最後はぽわんで炸裂という
深田:とても考えられたブッキングですね
---ぽわん以外の4バンド、当時は全く知らなかったです
深田: ぽわんしか知らない状況で、よく京都まで来ましたね
---次の日から仕事で京都にいる予定だったので、予定を1日早めただけなんですよね。そこでモルグモルマルモやカトキットに出会ったからこそ、関西によく来ることになったんですよね。2016年1月23日もこの2バンドがらみで京都に来てます
深田: え、そうやったっけ?
---モルグのMVを撮った日なんですよ
深田: あー、そっかそっか、あったあった!
---それで、モルグのMVに出演した後は、DEWEYにカトキットのワンマンを観に行ったんです
深田: あ、言ってましたね
---さらに京都によく来ることになった決定打は、「いつまでも世界は…」ですね。朝まで下北沢で開催されているサーキットイベント「Shimokitazawa SOUND CRUISING」を取材して、そのまま新幹線で京都に来ていつせかを取材するという。もう、完全にヘロヘロなのに機材一式を持って、DEWEYとmojoを何往復もするという、、、
深田: DEWEYとmojoって何キロくらいあるんだろう
---歩くと15分ではつかないですね、しかも四条通は人が多すぎるので裏道を使っていたのですが、錦通は論外で蛸薬師通もちょっと人が多くて、最終的にDEWEYから河原町通を渡って六角通を烏丸通まで突っ切るという、、、全くもってして話がそれている
深田: 逆に質問したいのですが、あの日から3年が経って節目なんじゃないかなと
---あまり節目という感じはしないですね。そもそも、音楽情報サイトとしても1年しか経ってないですし、イベント開催も3回目ですし。ただ、nanoではどうしてもイベントをやっておきたいという想いはありました
深田: なかなかないですよ、東京に拠点があるのに京都でイベントを開催するのは
---関西のバンドが好きなんですよ、コレまでも関西のバンドがメインで出演してくれましたが、今回はついに関東のバンドがゼロになりました、、、東京にも好きなバンドはたくさんいますけどね
深田: 正気の沙汰ではないですよ
---これ、完全に私のインタビューになっちゃってるじゃないですか
深田: それはなりますよ、聞きたいことがたくさんありますから
---ちなみに、nanoへの出演はいつ以来ですか?
深田: いつぶりだろう、めちゃくちゃ久しぶりですね
---京都でライブハウスに行った回数を数えると、ダントツでnanoに行っているのですが、今回出演するMoccobondと出会ったのもnanoでした
深田: とても楽しみです、ものすごく良いと聞いているので
---いつもは3人でエレクトロですが、先日Ba.サトウ君とDr.松川さんの2人でライブをやっていて、ものすごく格好良かったです松川さん普段はドラマーですがこの日はピアノ弾いてました
深田: え、ドラマーですよね「歌え!ドラマー達!」に出てもらいたい、誘ってみようかな
---もう、何でもかんでも「歌え!ドラマー達!」じゃないですか。このイベントで世界を変えようとしている
深田: まあ、そのくらいのモチベーションでやらないとね
深田: しかし、なぜ私なのですか? 確かに熱量は高いけど、モルグモルマルモだったら藤谷君がいるのに僕に声をかけるというのは、かなり狂気をはらんでいますよね
---元々はスリーマンで考えていてラインナップが決まったのですが、音楽としては素晴らしい組み合わせになりましたが、イベントとして考えると何かが足らない感があったんです。そんなタイミングで、前回の316NIGHT vol.2にモルグモルマルモに出演頂き、深田さんを見てたら「これだ!」と。なんですかね、熱量もそうなのですが、不穏さが欲しかったというか
深田: 不穏さ、、、
---もう、フロアにいる人たちは覚悟が決まるんです、深田さんのアクトを観ると、もう楽しむしかないって。あと、一昨年は「100kmマラソン」、去年は東京で「歌え!ドラマー達!」をお手伝いしましたが、今年も深田さんと何かをやることになる第一弾として出てもらいたいなと。この日に何かを発表できればいいのですが
深田: ついにアレ行きますか
---アレって?
深田: 筆、筆
---もう、なかったことにしたかったのに、、、
深田: ミュージシャンとして音楽を頑張るのは当然じゃないですか。でも、インパクトが常に求められている、ちょっとでも人の生活しているところに入り込むためには、変わったことをしなければならない。ピチピチの20代でもなければ、超絶イケメンでもない私が誰かを振り向かせるためには、「異様に頑張る」という事しかないんです。だから僕は100kmも走ったし、常にそういう場所を求めているんです。でも、今はお店もやっていて背負うものがある中で音楽をやることを選んだ自分ができる事を考えました。
お店をオープンした頃に髪にパーマをあてまして、あれから1年5ヶ月が経ちましたが髪を切るタイミングを逃してしまって、もはや乳首に届くくらいの長さになっています。それならこれを有効活用すべきではないかと思い、この髪の毛で筆を作ろうと。筆を作って書家の方に自分が主催するイベント名を書いてもらおうと。できれば、2・3本作って売りたいです。僕の中でこういうことを考えていると楽しくて楽しくて仕方ないです
---なんというか、どこから手をつけたらいいのかわからないです、、、いや、乗り越える壁がたくさんあるのですが、決定的なのはそもそもこの髪の毛を筆にするのが無理ですよ。なんか筆って当然ですが綺麗な毛を使ってるじゃないですか、深田さんの髪の毛では、、、
深田: そこは信じる心があれば
---自分は信じられるでしょうけど、私も含めて他の人に信じてもらうのは、、、。なんというか、京都にありそうな老舗の筆を扱ってるお店に相談したら、ものすごく怒られますよ。ガチでお茶漬け出てきますよ、即ぶぶ漬けですよ
深田: (笑)、筆作り講習会みたいなことをやっているところに相談するのもありですけどね
---ありますかね?
深田: お店に来てくれる書家の方がいるから、最悪その方にお願いすればいいのかと
---いや、まだ筆できてないですよ! というか、筆が完成したとして、その筆で書けますかね
深田: 信じていれば書けるんじゃないですかね
---、、、
深田: まあ、言いたいことはわかりますよ。普通の筆にあるようなコシは全くないです。だからといって、それが諦める理由にはならない
---、、、
深田: まあ、まあ、このことをやることで、嫌な顔をする人がいくらでも出てくるでしょう
---嫌な顔というか「ポカーン?」ですよ
深田: 筆が完成したら、316NIGHTのロゴも、か
---書かなくていいです、、、なにか、筆以外にないのですか?
深田: それ以外になにか思いつけば全然やりますが、今のところそれしか思いついてないですから。というか、このことがなければ今すぐ髪の毛を切りたいですよ
---こんなに伸ばしたのは初めてですか?
深田: 初めてですね、20代の後半にも長い時期がありましたけど、ここまで伸ばしてはいません
---いや、もう、なにを、どうしたらいいんだ
深田: もう、私が下北さんがやるべき事を言いますよ。一緒に筆を作ってくれるところを探しましょう
---まあ、確かに編集者の仕事ですけど、、、ちなみに、赤ちゃんの毛を筆にするのはあります。私の実家がある愛知県豊川市に「赤ちゃん筆センター」というところがありまして、赤ちゃんの髪の毛を筆にしてくれるお店があります
深田: ほうほう、髪の毛を筆にするという発想はあるのですね。僕、今から大事なことを言いますけど、『言葉にできることは、全てある』んです。わかります?
---いや、わからないです(笑)
深田: 例えば言葉にできないことは、実現できないじゃないですか、ないのです。でも、言葉にできる時点で、それはあるのです。わかりますか?
---どうですか、この文章を読んでるあなた、わかりますか?
深田: 僕が強く言いたいのは、ミュージシャンに関して言えば、僕らみたいな30代後半では日の目を見ることはないかも知れないですよ、でも、売れたいわけです。『30代後半でもバンドが売れる』そういう言葉があるということは、そういうことがあるんです。だから、みんな、自分がやりたいと心に誓ったことを続けるべきなんです
---これ何の話でしたっけ?
深田: 316NIGHTへの意気込みですよ! 僕はそういうメッセージをライブに込めていますから!
深田: 毎日店を開けて、朝早くから仕込みをして夜になったらヘトヘトですよ。そこから楽器の練習したり曲を作ったりとか、正直しんどいですよ。そんなことしなくても生きているけど、でもやりたいんです。逆に良かったんですよねお店を始めて、「しんどいからペースを落とす」とか「傍らに音楽があればいいか」みたいにならなかった自分にほっとしてます。常日頃、もっと面白いことを、もっとやりたいことを考え続けてますから。いや、だったらもっと練習しろよって言われそうですが、そこは勝手にうまくなっていくわけですから
---いや、うまくならないでしょ
深田: ならないですね、ちゃんと練習します、、、
---え、筆の話は??
深田: それが筆の話に繋がっているんですよ
---え、繋がってる?
深田: もう1回言いますよ『言葉にできることは、すべてある』んです
---『言葉にできることは、すべてある』というフレーズ自体が、すでにヤバいですね
深田: ヤバい、イタい感じに聞こえるかも知れません、重々承知していますよ。ただね、もう、突き進むしかないわけですよ!
---なんというか、目の前に橋があってすんなり目的地にいけるのに、あえてバーンと川に飛び込んでる感じですよね
深田: それ、僕を端的に表していると思います。しなくてもいい苦労をするのが好きなんですよね
---それで成功するのなら良いのですが
深田: まあ、言うならば全て自己満足なのですが、そういう勝負なんです
---もう、収拾がつかない。なんとか話をまとめるつもりだったのに
深田: 筆のあたりでスイッチが入っちゃいましたね。そのついでにもう一つ言いたいのですが、みんな大変だけど『音楽をやめるな! バンドをやめるな!』ですね。どれだけみすぼらしくなったとしても、生活の変化であるにしてもやめるな、頑張れ! やり始めたときのことを思い出せ! こういうヤツもいるんだというのを僕が先頭に立って示していければ、「まあ、深田さんがいるからいいか」と、そのように言われる存在になりたいなと
---3月16日の意気込みについてのインタビューだったのですが、とんでもなく壮大な方向に向かってます
深田: 僕ね「合理的」って言葉がどうも性に合わないんですよ。そっちをした方が合理的なのはわかってる、ただ俺はコレをしたいんだ。合理的に考えれば道はまっすぐ行くべきですけど、僕はグニャグニャ回り道してたどり着きたい、そんな道を行きたい、という想いはありますよね
---過程に大きな意味があり意義を感じると
深田: それは、ゴールに着いたときにわかるんじゃないですかね。「やっぱり合理的にまっすぐ行っていればよかった」って(笑)
---わけがわからないです、、、なんというか、今もてはやされている人工知能(AI)とかが最も苦手な領域ですよね。どれだけ合理的な解を示しても、受け入れてくれないという
深田: 僕はAIじゃ測れないですよ
---AI側からしたら、早めに息の根を止めておきたい、いつ自分が危害を加えられるのかわからないと判断しそうです
深田: 京都にこういうヤツがいるってコトをこのインタビューを通してわかっていただければね、結構大事なことを言ってますからね
---もう、どうなっちゃってるんだこのインタビュー。インタビューというよりは、完全に対談ですが
深田: 僕がライブをやって、他の出演する3バンドに見てもらって何も思わなかったとしたら、それは辛いですね。そういうことにならないように、己を鍛錬しておきます
---突然なに? 対バンへのメッセージ?
深田: そういえば、マフィンは売りますか? 売るとしたら、ワイフに相談しないといけないので

---あ、マフィン出したいです、nanoはフード的なモノがないのでぜひ出していただきたいです。先日、cafe TIGERでマフィン頂きましたが、とてもおいしかったです、砂糖とか入ってないんですよね?
深田: ありがとうございます、砂糖・乳製品不使用でやらせていただいています。あれは見事なモノです
---パサッとしてちゃうのかなと思ったら、そんなこともなく
深田: そうなんです。逆に乳製品を使ったホワイトチョコのマフィンもありますが、それもおいしいです、オススメですよ。マフィンやりますか?
---お願いします! お酒が進むヤツをお願いします。本当においしいので、当日来られる皆さんにぜひ食べていただきたいです

---最後に何かありますか
深田: 筆ですね、筆問題です
---、、、わかりました、3月16日に筆問題に対する回答は出しましょう。「できない」となるか、「できる」いや「できました」
深田: 「できました」は無理でしょ(笑)
---なんか、もう適当に切って自分で髪の毛縛って軸を入れて作っちゃって、書家の人が「ぐぬぬ、書けない、、書けない、、、」ってなるんです。それ、316で記事を書きますよ
深田: 最悪それですね、丸一日かけて
---自分史上最高レベルで回収不能なインタビューになってしまいました。というわけで、3月16日よろしくお願いします
ライブハウスナノ14周年月間 第13夜
316NIGHT vol.3
『ここからはじまりました』
2018年3月16日(金)
京都 Live House nano
前売り 2000円/当日 2500円
OPEN 18:00/START 18:30
☆タイムテーブル
[出演]
カトキット
Moccobond
ジャスミンの香り
opening Summer Tune for you: 深田和良(モルグモルマルモ)
チケット予約: 各バンド予約、316予約