深田和良より

こんちには。突然ではありますが「そういえば、お客様にこのイベントのことをちゃんと説明してないな」という事に気づき、開催まで2週間切りましたが、今までの「歌え!ドラマー達!」について書くことにしました。めちゃくちゃ長いので、興味が有れば読んでください。今は読まなくても、イベントを通して僕に興味を持ってくださってくれる事があれば、その時に読んで頂いても構いません。

そもそも、それまでドラムしか叩いていなかった僕が、何故歌うようになったか?というところから、話は始まります。当時の僕は音がやたらデカいバンドを辞めて、今のバンド(モルグモルマルモ)をやり始めて少し経った頃でした。正直、音が大きかったら褒められていた僕であったので、ドラマーに求められる緻密さ繊細さなど皆無、恥ずかしながら他の人の音を聞くなんて考えた事のない、とても痛いドラマーでした。

ただ、そのバンドの曲が本当にいいなぁと思い、加入し、なんとか良いかたちで人々に届けたいという思いから、がむしゃらに練習をしました。でも、全然納得のいく演奏が出来なくて、日々悔しい思いをしていました。なんならプロのドラマーの方に「辞めたら楽になるよ」とまで言われてしまいました。曲を作ってるボーカルには「深田を切れ」という人もいたようです。僕に「あいつの曲が良いと思うなら、お前からやめろ」という人もいました。

クビにされたなら、仕方ない。でも、そう言われるまでは何があっても諦めないと決めていました。諦める事が嫌いだからです。ただ、ひとつ、その頃から音楽をドラムを全然楽しめなくなっている自分に気がついたのです。

とある日、いつもお世話になってるライブハウスの方から「お前、自分で曲を作って歌ってみろや」と言われました。ドラム以外の楽器なんてできない僕に冗談やろ?と思いましたが「ドラムに良い影響出るかもしれんぞ」と強く言ってきたので、その言葉に賭けてやってみる事にしました。最近になって、その人に聞いたのですが「目線が変わって良い気分転換になるやろ」くらいの軽い気持ちだったそうです。

そっから、ギターの練習をして、曲をつくり、メロディをつくり、歌詞を考え、初ライブを迎えました。めちゃくちゃ緊張していて、殆ど何も覚えていないのですが打ち上げの時に、そのライブハウスの方が「アリやった。よかった。」と声をかけてくれたのです。

久しぶりに気持ちが解放されたというか、音楽を楽しめそうかも、と思いました。そこから、ドラムも練習しつつ、傍らに曲作りをして、自分のライブもするようになっていきました。段々と「ああしたい、こうしたい」という気持ちが強くなっていき、自分の曲をバンドアレンジしてみたいと思うようになり、独学でDTMをする様になりました。自分の曲にドラムアレンジを考える時「こうしたらうるさいだけだな」とか「メロディを際立たせるには…」とかを考えるうちにハッと気づいたのです「ドラマーが歌うって良いことじゃないか」と。

それから僕は思い立って「歌え!ドラマー達!」をスタートさせる事にしました。僕は僕なり理由があって、こんな風になったけれども、人によって、歌う個人的な背景、結果、違うだろうと思います。僕の気持ちの押し付けはしたくありませんが、とてもポジティブなイベントだと思っています。そして、ドラマーが集まって歌うイベントが当たり前になって、色んなところで似たようなイベントが開催されれば良いなあ、と願っています。

そんなわけで始まった「歌え!ドラマー達!」ですが、回数を重ねるごとに問題が露わになってきます。「でたがる人が少ない」という問題です。

そこで、誰でも気安く出れる、出たいと思えるイベントにしたくて出演者にこんなルールを提案しました。

・出演者はドラマーであること
・必ず歌うこと
・持ち時間は5〜30分選択可
・演奏形態は自由(ギター、ドラム、ピアノ、カラオケなんでもオッケー)
・カバー、オリジナルどちらでもオーケー
・助っ人オッケー(助っ人はドラマーじゃなくてもオーケー)

このルールによって、出演したいという人が増えていきました(それでも少ないですが)出たくない人は「メリットがない」「意味がない」という人が多いです。そういう人達に「実はそんな事ないよー」と伝えていくのが僕のこれからの課題です。

徐々に、ほんとに少しずつ京都でそれなりに認知されてきて、3年前から一年に一回、東京でも開催するようになってきました。今年は4回目です。

今まで沢山のドラマーに出てもらいました。対バンで出会った人や、歌いたがっていると噂を聞きつければ、その人のバンドのライブを見に行ったり。これは不思議なことか、当然なのかは分かりませんが、人として魅力的だなと思う人は「歌え!ドラマー達!」で楽器が下手でも、上手くても、歌がとても魅力的です。

そんな中、LOVE LOVE LOVEの澤本さんに出会って、何回か一緒に出てもらってるうちに関係性が出来てきて「澤本さんにイベントを作る側で参加してもらえないかな?」と思うようになりました。理由は僕のブッキングに限界がきていたからです。澤本さんは僕の誘いに快諾して頂き、今回の運びとなりました。数年先を見据えて、もっとステージが大きくなれば、というところを目標にしています。宜しければお付き合い頂けたら幸いです。それでは11/3下北沢THREEでお待ちしています!

イベントの詳細、チケットの予約はコチラ ⇒ [11/3・THREE]『歌え!ドラマー達! vol.12』