[316night vol.1 記念対談]メイビーモエ(ぽわん)×あっけ(カトキット)【2】

2017年8月9日梅田シャングリラで開催される316主催のイベント316NIGHT VOL.1 『「316(みいろ)」はじめました』開催記念対談の第一弾。《[316night vol.1 記念対談]メイビーモエ(ぽわん)×あっけ(カトキット)【1】》の続きです。昨年末から今年にかけて行われたぽわんのツアーに帯同したカトキット、あのツアーを振り返りつつ、バンドのフロントマンとして考えていることについて対談していただきました。

ラテアートされたカフェラテを見て「うわっ、こんなん撮ったことないわ!」と言いつつ、スマホで写真を撮るあっけちゃん

---え、ぽわんは遠い存在だったのですか?

メビちゃん: なんか、最初は「ぽわんさん、イベント出ていただけないですか?」みたいな感じで話しかけられて、、すっげー年下だと思ってた。(笑)ちゃこ(密会と耳鳴り)と3人でツアーの時に話をして、ちゃこと私は体育会系のヤンキー感があって、思考も似てる。でも、あっけは文化系の、ヤンキーというか・・

あっけちゃん: ヤンキーというか、不満だけは持ってる感じ

メビちゃん: そう!なんか、プチンとキレたときに、めちゃやべーことをやらかしそうみたいな(笑)。
初めて2人で遊んだ時、中野のカフェに2人でご飯を食べに行って、いろいろ話をしたんだよね。ちょうどミサキ(元Key.メンバー)が辞めた時で、それ以前のぽわんはアイドルのような売り方をしてて、自分たちでもそれが楽しくてやっていたけど、それはフロントマンとしての責任を分散させていただけだった。誰か1人がフロントとして責任を負うのではなくグループとして結束力を見せて、その良さに乗っかってバンドをやっている状況だった。ミサキとらら美という2人のフロントマンが辞めて私とマツコ(Dr.)とマリナ(Ba.)になって、そのとき初めて「ああ、私はフロントマンの責任をみんなに押しつけてて、自分自身で負ってなかったなぁ」って思ったんだよね、みたいな話をあっけにしたら「私、裏方になりたいねん」って言い出して

あっけちゃん: あはははははは

メビちゃん: え?何言ってるの?って思った(笑)それまでは全くそうだとは思っていなくて。あっけが「私は家で1人でアレンジしているときが楽しい」って言ってて、それを聞いて初めて真逆の人だったんだって気づいたんだよね。あっけオタクなんだねって(笑)

あっけちゃん: 「オタクなんだよね、うらやましい」みたいな話をしたよね。モエちゃんは「自分が好きすぎて、自分にしか興味がない」って話してた(笑)

メビちゃん: そう、自分という人間をいかに魅力的なモノにしていくかが人生の課題なので、それにしか興味がない。それで好きなモノが音楽で、自分がコンプレックスあるのが学生時代だから、そこを救える音楽を作りたいというのが一番のモチベーション。だから「裏方になりたい」とか一回も思ったことがないし、なんでボーカルをやっているのにそんなことを思える子がいるんだって、軽く衝撃だった。でも、ステージでは「私を見ろ!」みたいな感じじゃん。だから全くそんなことを想像していなくて、そこの部分で自分とは真逆なんだと気づいた

あっけちゃん: 確かに、真逆だね

メビちゃん: 前にぽわんの新譜のコメントを書いてもらったけど、「そうやってキラキラしてきたの、うらやましいんですけど」みたいなコメントを送ってきて(笑)

あっけちゃん: あはははは、書いたねー。まぶしいんだよね、ぽわんはいつも

メビちゃん: 初めてカトキットのライブを見たときに、誰とでも仲良い空気感だし、割と体育会系っぽい雰囲気を醸し出してたから、似てるのかなー?って思ってたけど、実際にちゃんと話をしたら真逆だったことにめっちゃびっくりした。カトキットの”雨ニモマケル”の歌詞で「何も失ってなさそうなバレー部っぽい女子が駆けてく」ってところあるじゃん。
私ね、バレー部だったの。
毎回アレを聞く度に「私バレー部なんで!(ドヤァ)」ってめっちゃ思う(笑)自分の中学の時を思い出すと、まさにその歌詞に当てはまるキラキラした生活をしていたから、あっけはその真逆、交わらない場所に居たんだろうなと、この曲を聴いて思った。私超キラキラしてたし、超リア充だったから、中学の時は(笑)

あっけちゃん: 言えないわー、自分がリア充だったなんて絶対に思えないもんなー。キラキラがにじみ出てるんだよね(笑)

---そこまで真逆なキャラクターだったのですね。音楽性は違うけど、生き方的には比較的近いところにいると思っていたのですが

あっけちゃん: なんなんですかね

メビちゃん: 根本は似ている、絶対負けねー的な

あっけちゃん: この世の中に対して感じている、「もっと自分の思い通りに生きたい」という思い

メビちゃん: そう、生きやすくしたい

あっけちゃん:自分の生きやすい世界にしたい

メビちゃん: もしかしたら敵なのかな!(笑)生きやすさの種類が違うから(笑)

あっけちゃん: でも、自分自身が生きやすくしたいというベクトルは同じ

メビちゃん: 作りたい音楽が全く違うから違う部分はたくさんあるけど、根本は同じだと思うことが多い

---「生きやすいようにしたい」って凄いですよね

あっけちゃん: そうなんじゃないですか?

メビちゃん: みんなそうだと思いますよ。だから自分が思っていることを歌うし、それに共感してほしい。共感してくれた人が救われれば、共感された自分も救われる。政治家が掲げるマニフェストに賛同してくれる人が多ければ多いほど、自分が生きやすい世界を作れるわけじゃないですか、それと同じ感じなのかなって思う。そして、自分の理想を掲げる人が何人もいるからケンカにもなる(笑)

---ケンカになりますね、バンド同士も

メビちゃん: だから売れたいんですよ、多くの人に賛同してもらえるか試したいから

---どうですか、メビちゃんの演説は

あっけちゃん: 同意ですよ。よく考えるんですよ、自分自身のことを考える時に、モエちゃんの存在は大きくて

メビちゃん: 私もだよ

---お互いに自分のことを考える際の比較対象としてちょうどいい、ベンチマーク対象になる感じですね

メビちゃん: でも、まだ、ケンカはしたことはないね

あっけちゃん: ないなー

---け、ケンカはしないでください、8月9日までは、、、

メビちゃん: ちょっとしてみたいよね

あっけちゃん: 何でケンカするんやろうね

メビちゃん:なんか、酔っ払って自分の理想をぶつけ合った時とかじゃん?(笑)

---それって、翌日には解消してるヤツじゃないですか

メビちゃん: そうそう、昨日はごめんなーって(笑)

あっけちゃん:あるかもねー(笑)

---そうそう、フロントマンとしての意識について、あっけちゃんは何かありますか

あっけちゃん: フロントマンとして、、、バンドのリーダーとして、、、リーダー嫌なんですよ、リーダー不在なんですよ、と言いつつリーダーなんですけど(笑)

---カトキットは田中さん(Ba.)とコバヤン(Dr.)が本当によくできた2人で、常に「あっけを立てる立場」ということを意識していると感じています

あっけちゃん: メンバーと話をしていても、ぽわんとカトキットはヒエラルキーが似ている。モエちゃんと私のヒエラルキーが圧倒的に上(笑)。で、マツコさんとあしし、コバヤンと田中がすげー愚痴を言い合うという

メビちゃん: 「アイツらなー、全然わかってねーよなー」とか言われてるだろうね。(笑)

---テーマとしてフロントマンについてお互いに語ってもらいましたが、なかなか難しいテーマでしたね

メビちゃん: たぶん、カトキットは自然にできているんですよね。でも、私は常に言葉にして伝えることで、それを作ってきた。基本的に人から慕われないから、自分で慕われる環境を作り上げてきたんですよ。中学校の部活もキャプテンだったんですけど、心のぶつかり稽古みたいなことをしてやってきた。
そんなに怒ってるわけでも気にくわないわけでもないけど一回ここでバチっとやっておかないと仲良くなれないな、みたいな。不器用なコの仲良くなり方みたいな感じですね(笑)

私、マリナともあししともケンカしたのは最近で。マリナとはここ半年とかですかね。ずっと、自分の弱いところを認められなくて、メンバーに弱いところを見せちゃいけないと思っていて、絶対に弱音は吐けなかった。そのせいもあってギクシャクしてる時期もあって。そのときにカトキットと対バンをして、カトキットはメンバー間のバランスがめちゃくちゃいいから羨ましかった。お互いがお互いを尊重しつつ、言うべきところは言える関係性がいいなと思っていたけど、当時のぽわんはそれがなくて。
それを乗り越えたきっかけが、2015年くらいに私の作風とか作っているモノを周囲にズタボロに言われてうつ病になりそうな時があって。 2年くらい引きずっていたんですけど、あししに「私の武器ってなんなんだろう。もうわかんないから、頑張れないかも、辞めたいかもしれない」って言ったことがあって、あししが「メビちゃんほど、馬鹿を武器にできる人はいないから、メビちゃんが頑張りすぎて気を張り詰めて馬鹿になれないようなバンドの関係性はよくないから、俺たちがもっとしっかりして好き勝手やれるようにしたい。俺はそれが好きでやってるから!」って言われて、楽になった。

初めてそこで、ホントはみんなよりできないことがたくさんあるんだって認められた。威張っているのも張り切っていてるのも、弱いって思われたくないだけで張り詰めてて。
メンバーに「わたしなんかただの素材だから、みんながいなきゃホントに何もできないんだよね」って言ってから楽になった。そっからみんなが改めて「ぽわん」の武器は私だって言ってくれて、急に関係が今のようになった。

ナチュラルな関係性が築かれて、みんな好き勝手やるけど、結局は私が生きるように動いてくれるみたいな。自分があのとき弱音を吐かなければ、ずっと今の関係性にはなれなかった。強くなきゃいけないってあるじゃん、でも、そうじゃなかった。そうじゃないことに気づいたから、今の関係性になれたんだなと思うと、カトキットもいろいろあっての今だと思うけど

あっけちゃん:いや、無いわ~! コバヤンとか10年一緒にいるからね、おじーちゃんおばーちゃんの関係みたいで(笑)

メビちゃん: それもあるよね、若い時を知ってるってところ。マツコは私が18歳の時から知ってて、マツコが20代の時に知り合ってるから、そういうことを言わなくても常にそういう関係性でいるけど、あししとかマリナは後から入ってるから。大人になってから中々友達ができないのと一緒で、大人になってからの人との関係性の作り方ってスゴイ難しくて。しかも、会社じゃないからお金をもらってるわけじゃない、だから簡単に辞めちゃう人もいっぱいいるし。いかに、後から入ってきた人にぽわんを一番大切だと思ってもらうかってことを、凄く考えて行動をしてた

あっけちゃん: なんか、思い出したわ。カトキット始めたときは4人で、コバヤンとあと2人。その2人に対しては、「おまえらついて来いよ」ってめっちゃ気を張ってたわ、確かに。毎週2回で6時間のスタジオ、別日でミーティングだから週3、絶対やらなうちら上に行けへん、みたいな。どんな意味わからんイベントでも全部出る。そういうことを引っ張っていくのが自分だって、、、。だから、(前のバンドメンバーの)田中になってからが楽やった。だて、うちが大した人間じゃないってわかってるもんな、みんな(笑)。自分がちゃんと等身大でいられるってのがスゴイ大事だよね

メビちゃん: たぶん、私がプライド高いからみんな気を使っていたと思うんだよね。私がプライド高いのは変わらないけど、そこみんないじっていいんだよーー!って言ってから凄く仲良くなった気がする

あっけちゃん: あはははははーーー(爆笑)

メビちゃん: そのことを自分自身が認められなかったんだよね、25・6歳までは。26歳後半くらいから徐々に、自分は大したことないし、いつまで大したことあるって思ってるんだろ私、みたいな感じになって。逆に大したことないって思った方が、自分の武器が、いろいろついている砂を落としてみると残るのは3コくらいじゃん。それだけ頑張ればいいなと思うと、すごい楽になったし、頑張りがいもある。わかんないものを全部頑張っても、無理じゃん

あっけちゃん: うん、そうだよね

あっけちゃん: え、これってこうやって崩れていくもんなん?
メビちゃん: そう、全てがあっけに飲み込まれていく
あっけちゃん: 、、、

---今後の話について、8月9日のイベント以降の予定について教えてください

あっけちゃん: 8月以降はめっちゃ1人でやりたいことがあって

メビちゃん: 私が、、、

[316night vol.1 記念対談]メイビーモエ(ぽわん)×あっけ(カトキット)【3】》に続く

 

316NIGHT vol.1
『「316(みいろ)」はじめました』

2017年8月9日(水)
梅田シャングリラ
[出演]
シンガロンパレード
ぽわん
カトキット
ヒミツノミヤコ
(OA)なかのいくみ
チケット:前売り 2000円/当日 2500円
OPEN 18:00/START 18:30

【チケット購入】
各種プレイガイド(6/11 10:00~)
-チケットぴあ[Pコード:335-059]
-ローチケHMV[Lコード:56889]
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イベントページ:https://www.shimokitazawa.info/316/316night_01/